北ミサイル強行に爆発寸前のトランプ氏、暴挙押さえ切れない習氏脅迫 次は4・25核実験か
2017.04.18
プッシュ通知 ドナルド・トランプ米大統領が、中国の習近平国家主席による「北朝鮮対応」に爆発寸前となっている。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、米国の強硬姿勢におびえながらも、弾道ミサイル発射などの軍事的威嚇を続けているからだ。北朝鮮は25日の「建軍節」(朝鮮人民軍創建記念日)前後、習氏の顔に泥を塗る「6回目の核実験」などを強行するのか。米朝のチキンゲームのはざまで、習氏の権威が失墜危機にある。
《北朝鮮問題で私たちと協力しているときに、中国を『為替操作国』と呼ぶだろうか。私たちは何が起こるかを見守るだろう》
トランプ氏は16日、自身のツイッターにこう書き込んだ。北朝鮮が15日の「金日成(キム・イルソン)主席の生誕105周年」の翌日、東部新浦(シンポ)付近から弾道ミサイルを発射した(=直後に爆発)ことを受けた発信とみられる。
言外に「習氏よ、北朝鮮を屈服させろ。さもなければ、中国を『為替操作国』に認定するぞ」と恫喝(どうかつ)しているように感じた。
北朝鮮が15日に強行した軍事パレードは挑発的だった。
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「KN11」(北朝鮮名『北極星』)や、陸上配備型に改良した新型中距離弾道ミサイル「KN15」(同『北極星2』)などに続き、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)用とみられる発射管付き車両を初めて登場させた。
トランプ政権は「レッドライン」(越えてはならない一線)として、「6回目の核実験」と「ICBM発射」を設定している。
北朝鮮がこれらを無視した場合に備えて、原子力空母「カール・ビンソン」を中心とする第1空母打撃群や、迎撃ミサイルを搭載したイージス艦、攻撃型原子力潜水艦を朝鮮半島周辺に配備した。
トランプ氏は、習氏との米中首脳会談(6、7日)で、北朝鮮の核・ミサイル問題での具体的役割を求め、「(中国がやらなければ)俺たちだけで(斬首作戦などを)やる」と通告した。中国は、北朝鮮に強い圧力をかけていたとされる。
だが、正恩氏は、トランプ氏や習氏の“警告”をあざ笑うかのように、16日早朝、中距離弾道ミサイルの発射を命じた。
発射したのがICBMではなく、ミサイルが直後に日本海に落下したことには、米軍を恐れる正恩氏の弱気や計算も感じられる。ただ、マイク・ペンス米副大統領の専用機が経由地のアラスカから韓国に向けて離陸して1時間後に発射した事実から、「米国を威嚇」し、「中国を愚弄」したのは間違いなさそうだ。
この暴挙を受け、レックス・ティラーソン米国務長官と、中国の外交担当トップの楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(よう・けっち)国務委員は同日、朝鮮半島情勢について電話会談した。
中国外務省によると、楊氏は「両国間でハイレベルの往来を進め、お互いを尊重して意見の違いをコントロールすべきだ」と主張。ティラーソン氏は意思疎通を強化し、米中関係を発展させることに期待感を示したというが、中国当局の発表は信じられない。
冒頭のトランプ氏のツイッターを見る限り、米中外相会談は穏やかな雰囲気ではなかった可能性が高い。米国は中国に対し、北朝鮮への「原油の供給停止」などの制裁を発動して、北朝鮮を服従させるよう強く求めたとみられる。習氏の権威は崖っぷちに立たされた。
北朝鮮が次に「核実験」や「ミサイル発射」で威嚇してくるのは、25日の「建軍節」前後とみられる。
そもそも、「習氏には、正恩氏の軍事的暴発を阻止する力はない」という見方がある。中国情勢に精通するノンフィクション作家、河添恵子氏は、夕刊フジへの緊急寄稿(6日発行)で、以下のように記している。
《金王朝(北朝鮮)との関係は、現在の『チャイナセブン』(=中国共産党最高指導部、中央政治局常務委員7人)の序列3位で、『朝鮮エキスパート』である張徳江・全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員長ら、江沢民派が掌握している》
《中国(人民解放軍)は昨年2月、7大軍区から5大戦区に再編された。だが、習氏の『5大戦区すべてを北京で管轄したい』という思惑はかなわなかった。逆に、張氏のテリトリー、中国北東部を管轄する旧瀋陽軍区は『北部戦区』となって拡大増強した》
つまり、正恩体制を支援しているのは、習氏と対立する「江沢民派」「旧瀋陽軍区」であり、中国共産党内の権力闘争も絡んでいるというのだ。中国は北朝鮮の暴発を抑えられているのか。
評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「中国は2015年から人民解放軍の大改革に取り組んでいるが、それ以降、北朝鮮の暴挙が頻発している」といい、続けた。
「専門家の間でも評価が大きく分かれるが、『中国は努力しながらも押さえ切れていない』というのが実態だろう。米国は『中国側には、北朝鮮を押さえ込む余地はまだまだある』として、さらに習氏に対して圧力を強めているはずだ。今回のミサイル発射で、朝鮮半島情勢の緊張状態は一段と高まったといえる」