日本への盾は捨てない
それでも、習近平主席は納得できません。韓国が北朝鮮を吸収統一すれば中国は北朝鮮という盾を失い、米国と同盟を結ぶ韓国と接することになってしまいます。中国とすれば「骨折り損のくたびれ儲け」です。
そこで習近平主席はトランプ大統領に対し、歴史的に朝鮮半島は中国にとって海洋勢力――日本や米国の侵略を防ぐ盾であった。それを捨てるわけにはいかない、と強調したのでしょう。
この地政学的説明にトランプ大統領も理解を示し「韓国は中国の一部だった」とWSJに語ったのだと思います。
先に引用した部分に続き、トランプ大統領は次のように述べています。
- And after listening for 10 minutes I realized that not - it"s not so easy. You know I felt pretty strongly that they have - that they had a tremendous power over China. I actually do think they do have an economic power, and they have certainly a border power to an extent, but they also - a lot of goods come in. But it"s not what you would think. It"s not what you would think.
この記事は大統領の発言をそのまま起したもので、言い足りないところやダブリがあるので意訳します。
- 習近平主席の10分間の話を聞いて(中国による対北制裁は)簡単なものではないことが分かった。中国は北朝鮮に対する大変な影響力を持っている。経済的な影響力――多くの商品を受け入れる国境貿易という確かな影響力だ。だが、我々が考えるようにはいかない。
なお、原文では「power over China(中国への影響力)」とありますが、文脈から見て「北朝鮮への影響力」の言い間違いでしょう。そう訳しました。
WSJも言い間違いと判断したようです。この記事の1時間22分後に、大統領の発言の背景も書き込んだ雑報「Tramp says He Offered China Better Trade Terms in Exchange for Help on North Korea」を配信しましたが、そこではやはり「over North Korea」と直しています。
要は、トランプ大統領は「中国は北朝鮮に核を放棄させる力を十分に持っている。でも、中国は歴史的に保持してきた盾を投げ捨てるつもりはない。だから問題の解決は簡単ではない」と語ったのです。