文氏、両親は北朝鮮出身
韓国大統領選で当選した文在寅氏(64)
2012年の大統領選挙で朴槿恵(パク・クネ)氏に惜敗。その朴氏の大統領罷免に伴う今回の選挙が2度目の挑戦で、ついに大統領の座を射止めた。
両親は北朝鮮・興南(フンナム)出身。1950年の朝鮮戦争の最中に父親が共産主義を嫌って韓国側に避難した。こうした家庭の背景が南北関係への強い関心につながっている、とみられている。
法学部の大学生時代に学生運動で逮捕歴がある。司法試験合格後の司法研修院では優秀な成績を収め、裁判官への任官を志望したが学生運動歴が問題となって挫折した。
やむなく弁護士として開業する際に、友人の紹介で弁護士の盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏と出会い、共同事務所を開いたことが、その後の政界入りのきっかけとなった。出会いの時から盧氏に対し「法曹界に多いタイプではなく、気さくで率直な人だ」と同質感を強く持ったという。これが「同志」としてのスタートだった。
02年に盧氏が大統領に当選すると青瓦台(大統領府)入りを口説かれた。それまでに何度も選挙を経験していた盧氏と違い、政治経験がなかったことから「人権派弁護士として権力と戦ってきただけの私に務まるのか」と悩んだが、盧武鉉政権の約5年間を大統領最側近として支えた。特に政権末期は大統領秘書室長として、米韓自由貿易協定(FTA)交渉や07年の南北首脳会談にもかかわった。
回顧録では盧政権時代にも民情首席秘書官などとして、大統領制の権威主義的な仕組みの改善に取り組んだと振り返る。大統領就任後、10日の国民向け談話でも「まず権威主義的な大統領文化を清算する」と強調。早い時期に大統領府(青瓦台)を引き払って一般公務員が勤務する政府庁舎に執務室を移すとの公約も掲げている。