【中国軍事情勢】宮古海峡に出没する中国原潜の実力とは…探知・追尾で海自は能力証明
中国国旗を掲揚して航行する潜水艦=12日午後、尖閣諸島北西の東シナ海(防衛省提供)
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の日本の接続水域で1月、中国の「商」級攻撃型原子力潜水艦(SSN)が潜没航行し、その後、公海で浮上して中国国旗を揚げる事案があった。商級原潜の特異な行動自体の意図は明確にはなっていないものの、東シナ海と西太平洋を結ぶ宮古海峡周辺に原潜が出没する現状からは、中国の「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略の一端が浮かび上がる。(台北 田中靖人)
浮上の目的は…
米海軍情報局(ONI)が2015年に公開した中国海軍に関する報告書によると、商級(093型)は02年と03年に各1隻が進水したが、その後、建造が中止。10年後の12年から改良型4隻の建造が再開され、15年現在で計6隻が進水した。商級は、中国が初めて開発した旧式の「漢」級(091型)攻撃型原潜を1隻ずつ代替する形で就役してきた。これは、中国が攻撃型原潜を質的には向上させつつも、数の上では増やしていないことを意味する。
台湾の海軍が発行する学術誌「海軍学術」の12年8月の論文は、商級の1隻目が進水したのは02年で、06年に就役、09年に中国国営新華社通信が正式に就役を認めたと記述しており、時期については米海軍の情報と異なる。この論文は、商級の性能は旧ソ連のビクターIII級に近いとしている。
防衛省が今回、公開した写真では、セイル後方の盛り上がりが確認できる。このため、ネットなどでは最新の「093B」型だと指摘されている。
この艦が浮上した理由には「示威行動のため」という説と、「海上自衛隊に追い詰められたため」という説があるようだ。ただ、いずれにしても、隠密性を最重視する潜水艦が“敵前”で浮上して姿を見せたのは極めて異例。少なくとも海自は、艦ごとに異なる音紋の特定に成功したか、あるいは再確認できたはずだ。
目標は潜水艦でなく水上艦
米海軍情報局の報告書によると、中国海軍は15年時点で、5隻の攻撃型原潜、4隻の弾道ミサイル原潜と、57隻の通常動力型潜水艦を運用している。中国の潜水艦部隊が米国と異なるのは、対潜水艦戦(ASW)と陸上攻撃の2種類の任務を想定していないことだという。
中国海軍の通常動力型潜水艦の多くは、周辺地域の海上交通路(SLOC)で、艦艇や船舶を狙う対水上戦を想定。商級を中心とする攻撃型原潜は、中国大陸から離れた海域での報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動と対水上戦に適しているとする。
A2ADの一翼
対水上戦の要となるのが、最新の国産対艦巡航ミサイル「鷹撃(YJ)18」だ。米海軍情報局の報告書は、ロシアから導入したキロ級潜水艦が搭載するSSN27シズラー(射程約120カイリ=約220キロ)と同等の能力だと指摘。米議会の諮問機関「米中経済安保調査委員会」の15年10月の報告書は、YJ18の射程を290カイリ(約530キロ)とさらに長く分析する。海上から数メートルの高さを準音速で飛行し、目標の20カイリ(約37キロ)手前で最大音速3にまで加速、迎撃する時間を与えないと指摘している。
オンライン誌「ザ・ディプロマット」の15年4月6日の記事は、YJ18はイージスシステムを突破することを目的とした超音速対艦ミサイルだとし、搭載する商級原潜を「空母キラー」と表現している。
一方、台湾の海軍学術の論文や米研究所「2049計画」のイアン・イーストン氏が09年に発表した中国の陸上攻撃型巡航ミサイル「東海(DH)10」に関する論考は、商級原潜が将来、DH10の改良型DH2000を装備すれば、グアムのアンダーセン空軍基地やハワイにある米太平洋軍の司令部を攻撃する能力が得られるようになると指摘している。
対艦・対地攻撃のいずれをみても、商級原潜はA2AD戦略の重要な一翼を担うことが見て取れる。米海軍情報局は07年の段階で、将来、さらに静粛性の高い095型が5隻導入されると予測している。だが今回、海自が現在、主力の商級原潜を確実に探知・追尾したことは、日本の対潜能力の高さを改めて示し、中国のA2AD戦略の一端を封じる力があることを証明したと言えるのではないか。
韓国も原子力潜水艦を保有する気らしいが
相当に技術水準が高くないと
日本の海上自衛隊には勝てないよ
珍島犬や力を出しなさい


