3勝目逃すも二刀流旋風続く “大谷効果”がメジャーを底上げ
エンゼルス・大谷翔平(23)が24日(日本時間25日)のアストロズ戦(ヒューストン)に登板。5回3分の1を投げて6安打4失点で勝敗はつかず、今季3勝目はならなかった。チームは8対7で勝利した。
開幕から二刀流で起用された大谷はこの試合、メジャー移籍後最多の98球を投げて7三振、5四球。デビューから4試合の奪三振数は26となり、球団記録を塗り替えた。メジャー自己最速を更新し、さらには今季のメジャー先発投手では唯一の101マイル(約163キロ)を連発。野手としては11試合に出場し、42打数14安打の打率3割3分3厘、3本塁打、11打点。22日のジャイアンツ戦では初の4番を打っている。
全米に旋風を巻き起こした大谷の二刀流の衝撃は、大リーグだけにとどまらない。バスケットのNBA、アメフトのNFLなど、4大プロスポーツの他の競技にも影響を及ぼしそうだ。
米国の高校、大学では季節によってさまざまな競技に取り組んでおり、選手によっては複数のプロスポーツのドラフト候補に挙がるのも珍しくない。NFLシーホークスのQBとして14年のスーパーボウル制覇に貢献したラッセル・ウィルソン(29)はカレッジエート高校卒業時にオリオールズ、ノースカロライナ州立大時代にはロッキーズから、それぞれドラフト指名を受けた。元NFLのスターQBで、現在はメッツ傘下のマイナーでプレーするティム・ティーボウ外野手(30)は、アレン・ニース高(フロリダ州)時代にはエンゼルスが指名候補にリストアップした。大リーグは他のプロスポーツに比べて閉鎖的で、依然として人種差別も根強い。伝統や慣習にとらわれ、古い体質が受け継がれている。近年、アマのトップ選手が大リーグを蹴って他の競技を選択するケースが目立つのは、米球界の旧態依然とした体質が敬遠されているからだ。
■他球団が二刀流を追随するとの予想も
エンゼルスの地元紙ロサンゼルス・タイムズでコラムニストを務めるディラン・ヘルナンデス記者が「大谷効果は米プロスポーツ界全体に波及するかもしれません」とこう続ける。
「これまで、米国では身体能力の高い選手は大リーグなど見向きもしませんでした。大リーグの体質はもちろん、野球ではマイナーでの下積み生活を強いられるなど、若い間は待遇に恵まれないこともあり、大リーグを選ばず、NBAやNFLを選ぶトップアスリートが後を絶たないのです。大谷は走攻守(投)三拍子揃っており、身体能力は今のメジャーリーガーの中では間違いなくトップクラスでしょう。大谷の活躍に刺激を受けて、大リーグを志す選手はもちろん、他の競技に進もうと考えているトップアスリートもMLBを進路の候補の一つに加えるのではないでしょうか」
今後はエンゼルスに他球団が追随し、投打にわたって活躍する選手が増えるとの予想もある。これまで、メジャーでは不可能とされてきた二刀流が認められれば、大谷のように身体能力の高い選手の活躍する場がさらに広がる。大リーグを目指すトップアスリートが増える可能性もある。
大谷の成否はメジャーの将来もかかっている。