仁徳天皇陵を発掘へ
今月下旬から堺市と共同で
毎日新聞2018年10月15日 14時02分(最終更新 10月15日 15時22分)
大山古墳=堺市堺区で、本社ヘリから川平愛撮影
大山古墳での今回の発掘箇所
宮内庁と堺市は15日、同市堺区にある日本最大の前方後円墳「大山古墳」(仁徳天皇陵)について、今月下旬から共同で発掘すると発表した。古墳の保存のための基礎調査だが、歴代天皇や皇族の陵墓を宮内庁が外部機関と共同で発掘するのは初めて。宮内庁は「周辺の遺跡や古墳に関する知見や調査経験を持つ堺市などとの連携は適切な保存につながる」としている。
大山古墳は全長約500メートルで、墳丘を三重の濠(ほり)が巡る。埋葬者は学術的には確定していない。調査は10月下旬~12月上旬、埴輪(はにわ)列などがあったと考えられる最も内側の堤(幅約30メートル)に幅2メートルの溝を3カ所掘り、堺市の学芸員1人も共同で調査や報告書作成などを行う。宮内庁陵墓課は今後、堤の別の部分や墳丘本体の裾部分の発掘も検討している。
宮内庁は全国の陵墓への立ち入りを原則認めず、単独で調査してきた。こうしたことから、考古学界は陵墓の公開と保全を訴えてきた。宮内庁は2008年から、日本考古学協会など考古・歴史学の16団体に限定的な立ち入り観察を認めた。16年3月には地元自治体や研究者に協力を求める方針に転換し、徐々に公開度を高めてきた。
宮内庁の陵墓管理委員会で委員を務める白石太一郎・大阪府立近つ飛鳥博物館名誉館長は「古墳全体を保存活用する上で地元自治体や研究者の協力は欠かせず、今回の共同発掘は重要な一歩だ。陵墓の公開に向けても歓迎できる」と評価。陵墓問題に詳しい岸本直文・大阪市立大教授は「今後の発掘・保存計画の説明や、発掘の現場公開を何らかの形で実現してほしい」と求めた。
https://mainichi.jp/articles/20181015/k00/00e/040/220000c