かつて、日本で最も信頼されたエコノミストだった筆者を、最近は、ほとんどメディアでみかけなくなった。しかし、本書を読むと、切れ味がまったく衰えていないことが分かる。それどころか、より鋭さを増している。それは、筆者が完全フリーのエコノミストとなって、配慮を必要とする利害関係者がいなくなったからだろう。
本書は、政府が国民をだましている9つの嘘を暴く構成になっているが、その内容を簡単に言うと、容赦のない政権批判だ。
目次
序 国家権力は美辞麗句に言い換える
1章 日本経済は「大本営発表」
№①「アベノミクス」の嘘
増える非正規労働者/数値が明らかにする経済政策の失敗/誰のためのインフレ誘導か/「成長戦略」の最大の問題
2章 弱肉強食が進む日本
№②「民営化」の嘘
国有地を不正に払い下げ――森友疑惑の真相/郵政民営化の闇で暗躍した男/長銀売却は出来レースだった/「水」の民営化が標的に
3章 国民奴隷化計画
№③「働き方改革」の嘘
高プロ=残業させ放題/私たちの賃金は19年間で13%減少した
№④「2020東京五輪」の嘘
利権に群がる寄生虫たち/ブラックボランティア
4章 捏造と隠蔽と
№⑤「日航ジャンボ機123便」の嘘
空白の11時間/オレンジエア/自衛隊機の追尾/不自然な遺体
№⑥「平和安全法制」の嘘
1972年の政府見解を再確認する/破壊される憲法
№⑦「刑事司法」の嘘
人権より国権 /日本を支配する「トライアングル」
5章 追いつめられる国民
№⑧「TPPプラス」の嘘
消えた「聖域」/武器としての食糧/危険な農薬/崩壊する日本の医療
№⑨「消費税で社会保障」の嘘
10%への増税「三度目の正直」はあるか/「日本国は財政危機にある」という大嘘
終章 国家の嘘に騙されないために内容紹介
この国では、権力による真っ赤な嘘がまかり通っている。国民は国家に騙されている。
〝安倍一強〟が続くなか、「森友・加計疑惑」や「戦争法制」をはじめとする諸問題も風化しつつあるように見える。だが、国民の疑念と怒りの声は消えていない。
鳩山由紀夫氏らと連帯し、政治運動を展開する著者が、本書で「国家が国民を欺く9のペテン」を摘出して読者に問う。「9のペテン」とは――
①「アベノミクス」の嘘 ②「民営化」の嘘 ③「働き方改革」の嘘
④「2020東京五輪」の嘘 ⑤「日航ジャンボ機123便」の嘘 ⑥「平和安全法制」の嘘
⑦「平和安全法制」の嘘 ⑧「TPPプラス」の嘘 ⑨「消費税で社会保障」の嘘
国家に騙されないためには、その騙しの手口を知ることが必要なのだ。
植草 一秀(ウエクサ カズヒデ)
1960(昭和35)年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵省財政金融研究所研究官、京都大学助教授、スタンフォード大学フーバー研究所客員フェロー、野村総合研究所主席エコノミスト、早稲田大学大学院教授、名古屋商科大学教授を経て現在、スリーネーションズリサーチ株式会社=TRI代表取締役。オールジャパン平和と共生運営委員。多数の著作を発表する一方、ブログやメールマガジンで政治・経済・社会問題について発信し、旺盛な言論活動を続けている
