日本の電機メーカー各社が、アフリカでの地熱発電事業で存在感を高めている。地熱発電で世界の「3強」となっている東芝と三菱日立パワーシステムズ(MHPS)、富士電機は、それぞれケニアで受注実績を積み上げ、ほかのアフリカ諸国にも売り込みをかける考えだ。温室効果ガスを多く排出する火力発電向け設備の受注が伸び悩む中、有望な成長分野となっている。
ケニアは2030年までに、地熱発電を15年の約60万キロ・ワットから、500万キロ・ワットまで拡大させる方針を掲げている。これまで水力発電で多くの電気をまかなってきたが、気候変動や干ばつによる水不足で発電量が低下しているためだ。
ケニアの地熱発電拡大の原動力を日本勢が担っている。これまでに東芝は計28万キロ・ワットの地熱発電設備を受注。MHPSは14万キロ・ワット、富士電機は7万キロ・ワットの受注を獲得している。日本地熱協会によると、3社で、地熱発電所の心臓部である地熱発電用タービンの世界シェア(占有率)の6割以上を握る。
日本勢がケニアで示した実績は、ほかのアフリカ諸国の市場開拓でも効果を発揮している。

富士電機ホールディングスは、2011年5月17日、1基の発電能力としては世界最大の出力(140MW)となる地熱発電プラントをニュージーランドに納入し、運転を開始したと発表した(図1)。これはニュージーランドの総電力需要の3%に達する規模だ。同社は1988年からニュージーランドに3件の地熱発電設備を納入している。
同社は2008年3月に住友商事と共同で、ニュージーランド国有電力会社であるMighty River Powerから4億5000万ニュージーランドドルで地熱発電プラントを受注している。蒸気タービンや発電機、プラント制御監視装置などの部材を提供したほか、プラント自体の設計や据え付け工事、試運転など発電所稼働に至る工程を一括して請け負った。
図1 ナ・アワ・プルア地熱発電所内の地熱発電プラント