【コラム】韓国大統領の言葉の重みは何グラムか
いつごろからか、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の発言や演説文の内容の真偽を検証してみる必要がある、と考えるようになった。誤った統計を引用したり、事実と懸け離れた誇張話法を展開したりといった例が少なからず登場するからだ。1月10日の大統領の新年会見で「韓国は富の二極化と経済的不平等が世界で最も甚だしい国になった」と語った。代表的な所得不平等指数は「ジニ係数」だ。統計庁が発表した最近の資料(2015年基準)を見ると、米国・英国・カナダ・スイスなど経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国のうち17カ国でジニ係数が韓国よりも悪かった。OECD基準でもこうなのに、「世界で最も甚だしい」と言う。
文大統領は1月17日、蔚山を訪れて「韓国の水素自動車の世界市場シェアは50%」と発言した。ところが産業界に問い合わせてみると「そんなはずはない」と言う。トヨタが2017年までに生産した水素自動車は4000台を超えるのに対し、現代自は2013年から昨年までの生産台数が計1837台だという。トヨタの市場シェアが70%の水準なのに、文大統領は現代自のシェアが50%だと誤った発言を行ったのだ。このところ韓国政府や与党が使っている表現を借りるなら、大統領が「フェイクニュース」をばらまいたことになる。
また文大統領は「2030年までに(水素自動車が180万台)普及すれば、年間3万トンのPM(粒子状物質)2.5削減効果がある」とも発言した。水素自動車は走行中に空気を吸い込むので、PM2.5を車内のフィルターでろ過する効果がある。しかしPM2.5が高濃度(100マイクログラム)の日が一年中続いても、浄化の効果は3万トンではなく3トンにしかならない。現在走っている老朽化したディーゼル車180万台を全て水素自動車に置き換えても、削減量は数千トンのレベルだ。基礎統計すら間違っていては、大統領の言葉の重みはグラムで量る程度にまで軽くなる。
昨年10月、全羅北道群山の太陽光団地では、大統領と長官の間で信じ難いやりとりが交わされた。文大統領が「(太陽光パネルに)環境汚染物質があるというような誤解がある」と尋ねると、産業通商資源部(省に相当)の成允模(ソン・ユンモ)長官は「われわれは鉛が入っているものを使わない。(そういう誤解があるので)そうではないと広報している」と答えた。その言葉に、文大統領は「それ、きちんと広報してください」と相づちを打った。このやりとりを収めた現場の映像が韓国大統領府(青瓦台)のホームページに掲載されている。ところが事実は正反対だ。「韓国国内で流通している太陽光パネルには、有害な重金属に挙げられる鉛が、パネル1キログラム当たりの重さにして最大200ミリグラム入っている」という国策研究機関の調査報告書が既に発行されている。にもかかわらず、脱原発を主張する一部左派メディアは、大統領と長官のでたらめな対話を引用して「韓国国内の太陽光パネルには鉛が入っていない」というように叫びたてた。大統領もまた、大量にあふれ出てくる太陽光の廃棄パネルは安全だと誤解しているのだろう。
大統領にでたらめな演説文を読ませてしまうことについては、青瓦台のブレーンに第1次の責任がある。担当の首席室や政策室で大統領の演説文の原稿を作ったら、演説秘書官室で文章を整える。この過程で担当部処(省庁に相当)に対し、統計が正しいか、発言に問題はないか、事実関係の確認も行うという。こうした二重三重の手続きに穴があいて大統領が国民に誤った事実を伝えたのなら、実務者を問責すべきであり、間違った内容を訂正しなければならない。ところが、そうした様子は見られない。文大統領は2017年6月、古里原発1号機永久停止の記念式典で「福島原発事故で1368人が死亡した」と発言した。この発言に対し日本政府が「正確ではない内容」と抗議すると、後に青瓦台側は「実務的錯誤」と認めた。しかし青瓦台のホームページにある大統領の演説文は、いまだに改められていない状態だ。国の品格を考える上でも、誤りを正すことを渋ってはならない。
朴恩鎬(パク・ウンホ)論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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韓国人らしい韓国人、それがムンジェインということだな。(´・ω・`)