なにやら日本国内でも、ラジオやマスコミニュースで「アビガンの早期認証を。厚生省はなにをやっている!」という声が出始めてきました。

アビガン、早期承認は未知数 米欧にスピード感で後れ
新型コロナ 経済 政治
2020/4/26 23:00
日本経済新聞 電子版
新型コロナウイルス感染症の治療薬として期待が高まるアビガンの国内での早期承認が課題となっている。厚生労働省は申請後の審査の期間を短縮して年内の承認をめざすが、緊急的な対応での特例扱いでどこまで早められるかは未知数だ。もともと米欧などに比べ薬を現場で使えるようにするまでの仕組みが硬直的で、スピード感が劣る問題もある。
承認は最短でアメリカ2ケ月、EU70日、日本6ケ月:アビガンは短縮?
アビガンは富士フイルム富山化学が抗インフルエンザウイルス薬として2014年に製造・販売の承認を得た。新型インフルの流行を念頭にした備蓄用で一般に流通はしていない。
今の備蓄は200万人分。新型コロナでは1人の治療にインフルの3倍の量が必要とされ、コロナ患者では約70万人分に相当する。
中国でいち早く新型コロナで治療効果を発揮した例がある。日本は現在100人規模の治験を進めており、政府はアビガンの備蓄を20年度中に現在の最大3倍にあたるコロナ患者200万人分に増やす方針だ。富士フイルムは設備の増強で9月には生産量を月30万人分に引き上げる。
薬が患者に使えるようになるまでには大きく2つの段階がある。安全性や有効性を臨床試験で確かめる「治験」と、製薬会社の申請を受けて治験の結果を検証・評価する「承認審査」だ。市場投入を急ぐには承認審査の短縮が鍵を握る。
インフル薬として承認済みのアビガンも、新型コロナでは投与量が3倍と大幅に異なるため安全性などを改めて確かめる必要がある。6月末までに順調に治験が終われば申請手続きに入る。
日本では通常、承認審査に1年かかる。厚労省は13日、医薬品審査で新型コロナの治療薬を最優先に進めると明らかにした。
審査期間を最大限短縮する特例の一つが15年に創設した「先駆け審査指定制度」。画期的な薬が開発された場合などに6カ月をメドに短縮できる。18年2月に塩野義製薬の抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」を申請から4カ月程度で承認した。
アビガンは先駆けの指定を受けていない。加藤勝信厚労相は21日、新型コロナ治療薬の承認審査を「できる限り短期で対応したい」と述べた。先駆けの場合の6カ月に「こだわるつもりは全くない」とも語った。
念頭にあるのは医薬品医療機器法に基づく措置だ。希少疾病用の医薬品など特に必要性が高いと認めた場合に最優先で審査できると定める。厚労省はこの特例を活用する構えだが、どこまで短縮できるかは未知数だ。
米欧はスピード感と柔軟性がある。米国は国家の安全に重大な影響がある緊急時は米食品医薬品局(FDA)が未承認の医薬品でも使用を認める仕組みがある。通常は承認までに6カ月程度かかる薬でも短期間で使えるようになる。
薬の場合は過去は2カ月程度の例があった。今回は約1カ月とみられ、検査キットなどはさらに早い。豚由来の新型インフルエンザが09年に流行した時はPCR検査キットを6日で許可した。日本との保険制度の違いなどから既存薬も別の病気の治療に使いやすい。
米国がこうした対応をとるのは、炭疽(たんそ)菌などバイオテロ対策が念頭にあったためだ。テロや戦争という非常時には安全を最優先する名目で異例の対応も容認されやすい。
今回の新型コロナへの対応を巡りFDAは3月に検査キットの申請を受理してから24時間以内で承認した。通常は数週間かかる手続きだという。
欧州連合(EU)で医薬品を審査する欧州医薬品庁(EMA)も緊急承認の手続きがある。通常約210日の承認審査を約70日にする制度だ。
一般的に医薬品の承認を規制当局に申請する場合、有効性や安全性、臨床試験などのデータをそろえて提出する必要がある。資料一式で10万ページ以上にもなる膨大な量だ。
EMAの緊急承認では製薬会社が個々のデータができるとその都度、提出して審査を受ける。同時並行で審査が進むため、審査期間は大幅に短くなる。
緊急対応が迫られる日本はアビガンの投与を望む患者らの不満が高まる。承認されない限りは研究目的での利用に限られる。病院が審査会などを開いて投与を認める手続きをとる必要がある。
福岡市は国家戦略特区を活用してこの手続きを省略し、医師の判断で軽症段階から投与できるように厚労省に要望した。日本医師会からはアビガンの早期承認を求める声が上がる。政府内では緊急時に機動的に対応しない厚労省への不満は多い。
厚労省が早期の承認に慎重な背景には1970~80年代の薬害エイズ事件の苦い記憶がある。アビガンは胎児に奇形が生じる可能性が指摘されており、副作用への目配りは欠かせない。同時に、いまは危機に備えた対応が迫られている。
(坂口幸裕、先端医療エディター 高田倫志、新井惇太郎)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58518390W0A420C2NN1000/
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科学的事実(検証)は、事態の切迫により変わる物でもないし無視できるものではないけど、それを踏まえたうえでの並行利用の為の法整備が必要じゃないかと思いますね。
現在の審議、承認手続きはあくまで必要です。
欧米の様に「早期承認」に追従する必要はない。
その代わり、承認薬ではなく暫定薬:示された危険性を認識し、その当事国の責任において使用を判断する事、といったアビガン限定の薬事措置法みたいのを作らねばならないと思いますがどうでしょう?
私が懸念するのはアビガンを日本が戦略的に活用しようとしていることが「日本は世界をアビガンで牛耳ろうとして故意に緊急措置を無視している」と、世界各国に邪推されないかという事です。
彼らは「早期承認」が基準ですから、日本のもたつきは「日本の悪巧みじゃないか?」と思いかねないかもしれない(最近、私は欧米の知性・品格に疑問を持ち始めてます)
そうなると、「使用し特に問題が無い」と分かったら中国アビガンジェネリックにそれこそ油揚げをさらわれたことになりかねないし、日本に対し不信感しか残らない逆の結果になりかねないという懸念もでてくるかと思います。
事は日本だけの事ではなく、各国当局者との協議による「国際的アビガン暫定使用・普及」を検討する段階ではないでしょうかね?