新型コロナの増殖抑える抗体を花王や北里大などが開発
https://www.travelvoice.jp/20200415-145941朝日新聞 2020年5月7日
新型コロナ無力化する抗体を発見。診断薬や検査薬への応用へ

新型コロナの検査薬や治療薬への応用を見込む
新型コロナウイルスを識別して無力化する抗体が見つかった。花王(本社・東京)と埼玉大発のバイオベンチャー・EMEなどの研究チームが100億種類以上の候補の中から分離に成功し、7日発表した。診断薬や検査薬への応用が期待される。
抗体はウイルスなどに結合するたんぱく質。チームは、ラクダ科動物に由来し、一般的な抗体の10分の1の大きさで構造も単純な「VHH抗体」と呼ばれる抗体を候補にして探索。新型コロナウイルスによく結びつくが、風邪を起こす他のコロナウイルスには結びつかないと期待できるものを見つけた。
新型を効率よく見分けるため、チームは抗体を外部の研究機関に提供するなどして、PCR検査より早い診断・検査への応用を目指す。VHH抗体は改変が容易でウイルスの変異にも対応しやすいうえ、大量生産にも向いているという。
北里大の協力で、この抗体がウイルスの細胞への感染を抑えることも確認した。花王の安全性科学研究所の森本拓也さんは「新型コロナウイルスに対する強い武器の一つになることを祈っている」と話した。
花王は洗剤の開発につながる微生物の培養などの技術の蓄積を持つ。埼玉大学発のスタートアップ、イプシロン・モレキュラー・エンジニアリング(EME、さいたま市)と連携し、同社が持つ抗体候補のタンパク質を効率的に見つけられる技術を応用した。
候補のスクリーニングから抗体の作成まで3週間と、通常の開発の半分以下の時間で抗体を取得できたとしている。VHH抗体は小型で、安く大量に生産することができる。熱などに対する安定性も高く、輸送や保管もしやすいという。通常の抗体に比べ構造が簡単で改良にも適している。