海外ユニクロ、83%増益、過去最高水準に回復
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65045390V11C20A0EA2000/日本経済新聞 2020年10月15日
絶好調なユニクロ。21年8月期は過去最高水準に回復へ

絶好調なユニクロ。国内も海外も急速に回復
ファーストリテイリングは15日、2021年8月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比83%増の1650億円となり、2年ぶりに過去最高を更新する見通しだと発表した。新型コロナウイルス禍で44%減益に落ち込んだ前期から急回復する。コロナ禍がいち早く和らいだ中国を中心に海外で利益を倍増させる。苦戦する他社との格差が鮮明だ。
20年8月期の純利益は前の期比44%減の903億円。減収減益は17年ぶりだ。コロナ拡大を受け「ユニクロ」店舗は一時、国内の4割、中国の5割、欧米のほぼすべてが休業した。韓国での不買運動や香港デモも重荷となった。ただ足元の販売は急回復している。特に中国本土や台湾の回復ペースが予想以上といい、8月に新規出店した中国本土の19店も全て予算を達成しているという。
7月に発表していた20年8月期業績予想では、売上収益が2兆円を2期ぶりに割り込んで1兆9900億円となり、営業利益は1300億円で着地する見込みとなっていた。しかし、ふたを開けてみれば特に国内ユニクロ事業が6~8月に絶好調で、予想から上ぶれする結果となった。6~8月の既存店売り上げは前年同期比20.2%増で推移し、通期の売上収益は前期比7.6%減の8068億円にまで回復。通期の営業利益は同2.2%増の増益を達成している。
「コロナは世界的な危機だが、転機にもなった」。同日の決算会見で柳井正会長兼社長はこう語った。服装のカジュアル化の流れがコロナ禍で加速。同社の得意とする普段着の需要が高まり、「服の世界では世界最高のポジションにいる」と自信を見せる。
21年8月期の純利益予想は市場予想の平均(QUICKコンセンサス)の1559億円を上回った。9月~21年2月期は欧米や東南アジアでコロナ影響が続くものの、21年3~8月期は収束すると想定する。売上高は10%増の2兆2000億円、営業利益は64%増の2450億円を見込む。
急回復を見込むのは海外ユニクロ事業で、中国本土を含むグレーターチャイナがけん引する。3月から順次営業再開し、来客数が急ピッチで回復している。今期も100店の出店を計画し、シェア拡大を狙う。欧米でも営業再開が進み損益が改善する。
国内ユニクロ事業も拡大する計画だ。既存店売上高は4%伸び、営業増益を見込む。スポーツ向け衣料や自宅で過ごすのに適したTシャツなどの投入を増やす。人工知能(AI)の活用で需要予測の精度を高め、値引き販売を減らす。
株式市場の成長期待は高い。15日の株価は一時7万480円と、19年7月に付けた上場来高値を更新した。「高機能・低価格が強みのファストリがシェアを高めていく構図が続く」(JPモルガン証券の村田大郎氏)。ニトリHDもコロナ下のライフスタイル変化を取り込み、21年2月期に最高益を見込む。優勝劣敗が進みつつある。