北朝鮮の「重大事件」 密輸きっかけに新型コロナ感染か
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記が先月末に開かれた朝鮮労働党の会議で言及した「重大な事件」に関心が集まっている。
これまで北朝鮮当局は、「新型コロナウイルスの感染者は出ていない」としてきたが、北朝鮮の事情を知り得る複数の関係者は「感染の疑われる事態が発生したようだ」としている。
正恩氏は6月29日の党政治局拡大会議で、新型コロナの非常防疫対策をめぐる幹部の怠慢が「国家と人民の安全に大きな危機をもたらす重大事件を発生させた」と述べた。
関係者の1人によると、中国との国境近くで発熱を訴える人が出たため、北朝鮮当局がこの地域を封鎖したとの情報がある。新型コロナ対策で、北朝鮮は中国との国境を封鎖しているが、一部の機関が防疫措置を守らずに中国側と密貿易をした疑いがもたれている模様だ。北朝鮮には検査キットが十分にないため、発熱した患者が新型コロナに感染したのかどうかは不明だという。
密貿易をしたのは、軍関係者だった可能性も指摘されている。このことから、核・ミサイル開発を含む軍全般の業務を担う李炳哲(リビョンチョル)書記が、政治局常務委員から解任されたとの見方も出ている。
北朝鮮では経済制裁や国境封鎖の長期化で、食糧や生活必需品が足りずに価格が高騰しており、密貿易を通した商品の需要が高まっている。