選挙控える文大統領・菅首相「国内政治に得になることない」
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪日が実現しなかったのは、両国とも「韓日首脳会談が国内政治に得になることはない」と判断をしたためと思われる。また、韓国政府は、日本に強制徴用・慰安婦などの歴史問題と共に輸出規制措置・福島原発汚染水などに対する見解を変えるよう求めたが、交渉に進展がなかったことのことだ。青瓦台は「全体的に少しずつ進展はあった」と言いながらも、「究極の目標は関係回復だったが、まださらなる議論が必要な状況だと見た」としている。
文大統領は今回の訪日に対する意志が強かったという。与党関係者は「米国の韓日関係改善圧力もあったが、任期が1年も残っていない状況で、対日関係改善を通じて南北首脳会談のきっかけを作る最後のチャンスだと考えた」と語った。
しかし、与党指導部と青瓦台の参謀らは、当初から「これといった成果を出せずに帰ってくれば批判を浴びるだけだ」と文大統領訪日に否定的だった。特に、来年3月の大統領選挙を控えて、国内の反日感情を考慮せざるを得なかったものと見られる。こうした中、新型コロナ感染者が急増し、駐韓日本大使館の相馬弘尚総括公使が文大統領に対して不適切な表現を使ったことが伝えられて状況はさらに悪化した。青瓦台関係者は「容赦しがたい発言だった」「国民感情を考慮しなければならないし、以降の青瓦台内の雰囲気も懐疑的に変わった」と話す。さらに、日本の読売新聞が19日、「文大統領が23日に来日する」という確定的な報道をしたことから、青瓦台の参謀たちは同日午前、非公開のティータイムで「今行けば日本に利用されるだけだ」と大統領訪日を引き止めたと言われる。ある人物は「以前までは賛否が半々だったが、この日は雰囲気が険悪で、反対の方がはるかに多かった」と伝えた。与党・共に民主党でも訪日反対の声が強かった。李洛淵(イ・ナギョン)元首相は同日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」の「大統領訪日、今は違います」というタイトルの投稿文で、「今の日本側の態度では韓首脳会談成功を期待するのは難しい。そうした時に駐韓日本総括公使の恥辱的な妄言が飛び出した。日本はそれに対する適切な措置も取っていない」と書いた。姜炳遠(カン・ビョンウォン)最高委員も「文大統領が五輪開会式を祝うためだけに出席するのは、日本国内の不信が最高値に達している菅政権の屏風になるだけだ」と言った。