盛り土所有者を9月内に提訴へ 熱海土石流「被害者の会」
2021.9.3
26人が死亡し、1人が行方不明になっている熱海市伊豆山の大規模土石流は3日で発生から2カ月が経過した。遺族や被災者でつくる「被害者の会」は違法な盛り土が土石流を引き起こしたとして、9月中に土地の現旧所有者に損害賠償を求める集団訴訟を起こす構えだ。弁護団によると原告は50人を超えるという。
土石流起点の盛り土部分。遺族や被災者は土地所有者らの「人災」と訴える=2日午前、熱海市伊豆山 弁護団によると、請求額は現時点で10億円ほどの見通し。被害状況に応じて今後詳しく算定し、さらに増える可能性がある。被害者の会は発生から約1カ月後に約20人で発足。8月17日には遺族の1人が土地所有者らを重過失致死容疑などで熱海署に告訴し、10日後に受理された。同署などは、盛り土の経緯を検証する県や市と情報交換しながら捜査を進めるとみられる。
弁護団共同代表の加藤博太郎弁護士は「刑事、民事ともに被害者の怒りを原動力に準備してきた。時間がたつと、社会の関心も薄れる。加害者を逃がさず、事件を風化させないためにもスピード感が重要」と話す。
被害者からは、土地所有者の違法行為を阻止せず、義援金の配分など生活再建に関わる対応も遅い行政に対する不満の声も上がっている。加藤弁護士は「問題を放置してきた責任は重い。今後の対応次第では被告になることもある」と話し、被災者への補償を働きかけていくとした。
一方、土地の現所有者の代理人弁護士は取材に、「(盛り土に関する)県や市の調査に協力すると申し出たが、全く声がかからない。民事訴訟になった場合は粛々と応訴したい」と話した。