「汚い中国製」バイデン大統領が厳しくなった…サンドイッチの韓国はまたも試験台に
![文在寅大統領が先月31日にG20首脳会議が開かれたイタリアのローマでサプライチェーン回復力と関連した首脳会議に参加し発言している。この会議はサプライチェーン支障にともなう物流大乱解消を模索するために開かれた。左から文大統領、バイデン米大統領、ブリンケン米国務長官。[写真 青瓦台]](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/d/0/d0dc9_204_ca185f33_eb31058c-m.jpg)
バイデン米大統領が中国を露骨に牽制しながら「グローバルサプライチェーン再編」の信号弾を打ち上げた。世界の製造・物流のサプライチェーンから中国の力を抜き米国中心に転換するという意志を明確にしたものと分析される。米中への依存度が高くサンドイッチ状態の韓国は再び試験台に立つことになった。新型コロナウイルスの流行長期化で主要覇権国の「サプライチェーン国粋主義」が深まり、グローバルサプライチェーンが瓦解しかねないとの指摘も出る。
イタリアのローマで開かれた主要20カ国(G20)首脳会議最終日の先月31日、バイデン大統領は韓日英など14カ国の首脳と会い、グローバルサプライチェーン問題を協議した。いずれも米国の同盟国・友好国に分類される国だ。
この日バイデン大統領は中国を直接言及しなかったが、すべての発言は中国を狙った。彼は「サプライチェーンの多様化は単一サプライチェーンの集中的な統制による深刻な経済的脆弱性からわれわれを保護するもの。われわれは安保を危険に陥れかねない単一網に依存してはならない」と強調した。この日の会議を意識したように中国の習近平国家主席は前日のG20オンライン会議で「人為的に小グループを作ったり理念で線を引くのは間隙を作り障害を増やすだけであり、科学技術革新には百害あって一利なしだ」と牽制球を投げた。
この日のバイデン大統領の開会あいさつに続き最初に発言した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「最近物流支障が一層深刻化し世界経済の最大不安要因に浮上している。世界的な物流大乱に共同対応しなければならないだろう」と話した。続けて「サプライチェーンと物流は相互連結と流れの問題で、ひとつの国の力だけでは解決するのが難しい課題。われわれは連帯と協力、多国間主義を通じて新型コロナウイルスが触発した多くの問題に解決策を見出してきた」と強調した。
会議直後に青瓦台(大統領府)は「今回のサプライチェーン首脳会議は緊急なコロナ後の経済回復過程で発生したサプライチェーン不安定状況に対する各国の懸念と評価を共有し、各国政府と企業が連帯と協力、多国間主義の精神でともに問題解決に向けて共同の対応をしていかなければならないということに国際社会全般の関心と支持を確保するのに大きな役割をしたと評価される」と明らかにした。だがある半導体業界関係者は「文大統領の発言はバイデン大統領の注文に前向きな返事をしながらも中国を刺激しないきわどい綱渡りを見るようだった」と評価した。
◇米国、韓国企業に「半導体情報提出」圧力さらに強めるか
問題はバイデン大統領の今回の「召集令」が中国に向けられた単純な対抗にとどまらないという点だ。米国は6月に半導体とバッテリー、医薬品、レアアースの4品目に対し自国のサプライチェーン分析を盛り込んだ報告書を発表した。いずれも中国の影響が強い分野だ。産業研究院のイ・ジュン産業政策研究本部長は「米国は報告書を通じ核心戦略品目のサプライチェーンを自国中心に再編するという意志を明確に示した。米国が先端技術と産業再編を長期間にわたり推進するものと予告したもの」と説明した。
この日の会議は同盟国・友好国を引き込んで米国中心のサプライチェーンを構築するという宣言も同然だ。先月31日の米国と欧州連合(EU)の鉄鋼関税紛争終了宣言もその延長線と見ることができる。バイデン大統領はこの日、EUとの鉄鋼関税紛争を終わらせる内容に合意した後、中国を狙って「中国のような『汚い鉄鋼』の市場に対するアクセスを制限する」と明らかにした。中国製鉄鋼が炭素排出基準を守っていないとして「汚い鉄鋼」と直撃弾を飛ばしたのだ。
これと関連し、産業通商資源部のチュ・ヨンジュン産業政策室長は1日、「米国とEUの合意によりEU製鉄鋼の対米輸出が増加する場合、韓国の輸出に一定部分で影響は避けられないだろう。否定的影響を最小化できるよう最大限努力する」と話した。米国政府の「半導体情報提出」の圧迫もさらに強まるものとみられる。9月25日に米国政府は「半導体サプライチェーン安定」を名分に、世界の半導体企業に対し45日以内に在庫と注文・販売関連の帳簿を提出するよう要求した。今月8日が締め切りだ。
韓国半導体産業協会のアン・ギヒョン専務は「(今回の会議で)半導体情報提出に対する圧迫がさらに強まりそうだ」と懸念する。半導体業界関係者は「サムスン電子やSKハイニックスが米政府の要求に応じるのは韓国としては最大顧客(中国)の機密情報を米国に渡すのと同じこと。この場合中国がどのように対応するのか注目される」と話した。
実際に半導体業界は薄氷の上を歩くように慎重な雰囲気だ。サムスン電子の金奇南(キム・ギナム)副会長は先月26日、「(米政府の情報提出要求に)落ち着いてしっかり準備している」として原則的な立場を明らかにしている。
両国の「サプライチェーン争奪戦」は長期化する可能性が大きい。国際金融センターのソン・ヨンファン研究委員は「米中覇権競争の中で自由貿易より経済安保が重視され円滑なサプライチェーンに対する期待が減っている。来年上半期まではサプライチェーン支障問題は大きく改善されにくいだろう」と予想した。この過程で米国中心のサプライチェーン再編が現実化すれば韓国の悩みは深まるほかはない。半導体と自動車、鉄鋼、石油化学など韓国の主力産業がこの影響圏から自由でないためだ。
イ・ジュン本部長は「米国中心のサプライチェーン再編は中国と北東アジアを中心に形成された産業分業構造に相当な変化を起こすだろう。韓国は産業別サプライチェーン戦略を再確立し、米国と技術同盟国などに信頼できるグローバルパートナーとしての韓国の位置付けを確固にできる戦略的協力案を講じなければならない」と話した。