韓国の対中貿易規模年間270兆ウォン、サプライチェーン再編で韓国企業が緊急対策会議
バイデン米大統領が中国を念頭に世界的なサプライチェーンに関する首脳会議を開いたことを受け、韓国の主要企業は1日、緊急対策会議を開いた。企業は米政府による一連の動きがどういう影響を与えるかシナリオ別の対応戦略の立案に奔走した。中国と米国は韓国の輸出、輸入でそれぞれ1、2位を占める2大貿易相手国であり、韓国企業にはとばっちりを受けかねないとの懸念がある。一部からは「韓国政府のあいまいな態度で、西側では韓国企業の『親中』イメージが強いのは事実だ。それを挽回するため、企業は割高な生産コストを覚悟で対米投資を増やしてきたが、今後そうした負担が増大しかねない」とする懸念の声がある。
■大国米中の争いでとばっちりに戦々恐々
ポスコ、現代製鉄などは1日朝から社内で会議を開き、米国と欧州連合(EU)の合意内容を分析した。米国はEU製鉄鋼、アルミニウムに対する関税撤廃を決め、製造過程で温室効果ガスの排出量が多い中国の安価な鉄鋼の生産や輸出を阻むための新たな規制を設けることにした。鉄鋼業界は「関税撤廃によって、EU製の鉄鋼製品が米国で価格競争力を持てば、韓国の鉄鋼メーカーが対米輸出で被害を受けることになる」とし、「現在韓国製鉄鋼製品に適用された米政府の輸入クオータ制が廃止されるようにすべきだ」との立場を表明した。
さらに大きな懸念は米国の中国排除政策が韓国製鉄鋼製品の輸出にブーメランのような効果をもたらさないかどうかだ。韓国製鉄鋼製品の対米輸出規模は約200万トンで、対中輸出(540万トン)、対中輸入(600万トン)の3分の1だ。鉄鋼業界幹部は「無条件で米国の側に立つこともできず、それによる報復で米国が韓国の鉄鋼製品を中国製品の加工品だと文句をつけないか心配だ」と話した。鉄鋼・アルミニウム業界関係者は同日午後にも産業通商資源部と官民合同の緊急対策会議を開いた。
今月8日までに米政府に半導体の在庫状況、顧客情報、技術機密などを報告しなければならないサムスン電子も同日午前から対策会議を開いたという。半導体業界関係者は「サムスンにとっては、バイデン大統領が世界的なサプライチェーンに関する会議に文在寅(ムン・ジェイン)大統領まで招き、米政府の要求を拒否するのがさらに難しくなった。米政府が希望する水準とサムスンが提供できる情報水準をすり合わせるのに苦労していると聞いている」と話した。
今年ワシントンに事務所を開設するLGグループ、最近対米投資の大幅拡大を発表したSKグループなども現在推進中の米中事業に与える影響を把握するために忙しく動いた。
■中国は韓国最大の貿易相手国…依存度を下げなければ
しかし、中国が韓国の最大の貿易相手国である点が韓国企業にとっては大きなジレンマだ。中国への輸出額(2020年)は年1300億ドル、輸入額が1000億ドルに達している。2位米国に比べ倍近い規模の輸出入規模であり、韓国の貿易全体の4分の1を占める重要な生産拠点と消費地だ。その上、中国は世界のIT産業におけるサプライチェーンでも重要な生産基地としての役割を果たしている。中国は世界最大の半導体輸入国(昨年3500億ドル)であり、その半導体は中国で生産され、全世界に輸出されるスマートフォン、ノートパソコン、家電製品に搭載される。
米国主導の世界的なサプライチェーンに加わるためには、中国に対する経済的依存度を徐々に減らす必要があると指摘されている。サムスン電子とLG電子がベトナムに生産拠点を移転したように、生産先を多角化すべきだとの意見だ。米政府の世界的なサプライチェーン再編が結果的に世界の経済成長に悪影響を与えるとの主張もある。対外経済政策研究院経済安保タスクフォースのヨン・ウォンホ委員長は「韓国は自由貿易で大きな恩恵を受ける国の一つだ。サプライチェーン再編が全世界の経済を最も効率的な状態から非効率的な状態に変える結果を生みかねない」と懸念した。