米国債・韓電債「ダブルブラックホール」…韓国企業、資金調達厳しく
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.11.04 11:17
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の「タカ派発言」で世界金融市場が揺れている。パウエル議長は「物価安定のためにさらに高い金利が必要だ」と述べた。
FRBの利上げ以降、2日(現地時間)、米国債(3年物)利回りは0.069ポイント上昇した4.573%となった。世界で最も安定した資産に挙げられる米国債(信用格付けAaa級)が高い金利収益まで保証すれば、国内外の資金は自然に米国債に向かう。
一方、米国債が世界の資金を引き込む状況で、相対的に信用度が低い韓国の国債や社債は従来より利子が高くなってこそ投資家を引き込むことができる。特に信用度が高くない企業がすぐに打撃を受けるとみられる。
金融投資協会によると、韓国国債(3年物)利回りは前営業日比0.063ポイント上昇した4.158%で取引された。政府の債券市場安定対策以降は下落傾向が続いていたが、また反騰している。これは、米国債の利回り上昇による連鎖効果だ。
国内では韓国電力公社など信用度が高い公企業が高い金利を掲げて市中の資金を吸い込む、いわゆる「ダブルブラックホール」現象が生じている。
FRBの持続的な利上げ基調のため、そうでなくとも不安定な韓国国内の資金調達市場も厳しい状況を迎えた。すぐにも国内企業の資金調達に影響が出るという見方も出ている。米国の国債、公社債など優良債券への資金の流れが加速し、債券市場の不安定が再発するということだ。
資本市場研究院のファン・セウン研究委員は「9月末から韓電債が会社債より高い金利を提示しても投資家を集められない状況」とし「限界線上にある企業が崖っぷちに追い込まれるかもしれない」と懸念を表した。
韓国債券、世界市場からそっぽ? 興国生命5億ドルのコールオプション行使見合わせ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.11.03 08:42
世界の金融市場で韓国債券に対する投資心理が冷え込む兆しが現れており企業のドル資金調達に警告ランプが灯った。
2日の金融投資業界などによると、興国生命は2017年11月に発行したハイブリッド証券のコールオプション行使日時が近づいており3億ドル規模の新たなハイブリッド証券を発行して償還資金を調達する計画だった。だが市場環境の悪化により取引が萎縮して資金調達に支障が生じ、興国生命は9日に予定していた5億ドル規模の外貨ハイブリッド証券に対し早期中途償還コールオプションを行使しないことにした。金利上昇、取引萎縮などで早期償還に向けた新規債券の発行が不如意になってだ。
韓国の金融機関が発行したハイブリッド証券の早期償還が見合わせられたのは2009年のウリィ銀行の劣後債から13年ぶりだ。
ハイブリッド証券は金融機関が自己資本比率(BIS)を高めるための手段として活用してきた。永久債に分類され会計上は資本と認められる。通常5年あるいは10年後に債券を発行した金融機関がこれを買い戻すコールオプションがついている。ハイブリッド証券は早期償還をしなくてもデフォルト(不渡り)が発生するものではない。ただハイブリッド証券の早期償還は一種の慣行とされてきた。投資家も韓国の金融機関が発行したハイブリッド証券は早期償還日時を事実上満期と見なして投資をしてきた。
金融当局は急いで火消しに出た。金融委員会などはこの日資料を通じ「興国生命のハイブリッド証券早期償還権行使と関連した日程・計画などをすでに認知しており、持続的にやりとりした」と明らかにした。続けて「興国生命の収益性など経営業績は良好で、契約者に対する保険金支払いなどに何の問題もない。早期償還権未行使にともなう市場状況をモニタリングするだろう」と付け加えた。
こうした状況で早期償還が見合わせとなり世界市場で韓国債券に対する「信頼の危機」に続きかねないとの分析が出ている。ナイス信用評価はこの日報告書を通じ「今後会社の資本市場アクセス性が低下しかねない。ウリィ銀行も劣後債に対する早期償還を実施せず国際金融市場のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムが急激に上昇するなど資本市場での評判が悪化し、さらには韓国債券に対する投資心理が低下したことがある」と指摘した。
他の金融機関にも余波が及びかねないとの懸念も出ている。ナイス信用評価によると2017~2018年に韓国の保険会社が発行したハイブリッド証券のうち2023年に早期償還コールオプション行使期日が到来する金額だけで12億ドル規模だ。
DB金融投資のユ・スンウ研究員は「そうでなくてもレゴランド問題で韓国の債券市場に対する不安感が高まった状況で、他の保険会社もハイブリッド証券発行が困難になったり、より高い利回りを設定しなければならなくなる可能性が大きい」と評価した。
企業の資金調達の困難さも大きくなる見通しだ。金融当局は債券市場の物量圧迫を減らすために韓国電力や韓国ガス公社など高い格付けを持っている公企業や金融機関の海外債券発行を促してきた。だが海外市場の環境が悪化しこれさえも容易ではない状況に置かれる可能性が大きくなった。
NH投資証券のチェ・ソンジョン研究員は「来年満期を迎える外貨建て債券は約250億ドルで今年より22%増える予定のため、ドル建て債の借り換え懸念が大きくなる状況」と話した。