日本から「韓国がパクった」
“シャインマスカット騒動”のウラで、いま韓国で起きている
「もう一つのヤバすぎる現実」…!
2023年1月18日 5時0分
「日本品種99%」の現実
韓国メディアの毎日経済から「日本品種99%『ブロッコリー』…済州道で新品種『独立宣言』(2023.01.06)」という記事が出ていた。
その内容を見ると、韓国の最南端にある済州道は、2022年基準で栽培面積1171ヘクタール(全国の72%)、生産量1万8360トン(全国の73%)を記録するブロッコリーの主産地である。
だが、今はそのうちの99%が日本品種(SK3-085)で構成されており、以前より種子価格上昇による農家の収益性悪化、品種選択権喪失、価格調節困難、経営費加重が憂慮されていたという。
これに対して済州特別自治道農業技術院は、2006年から国産ブロッコリーの品種開発に着手し、2017年には「ニュータムラグリーン」を、2022年には「ハルラグリーン」と「サムダグリーン」の2品種に対する品種保護出願を行った。
記事には2023年1月5日、日本品種のブロッコリーと同院が開発した「ハルラグリーン」「サムダグリーン」の計3種によおる評価会を実施したとある。
「日本品種」と「韓国品種」を比べてみると…
評論会の結果、まず花蕾(からい/房の部分)は日本品種が417グラムに対して、ハルラグリーンが456グラム、サムダグリーンが440グラムであったようだ。
記事には日本品種のSK3-085と、韓国品種のハルラグリーンの写真が掲載されていたから筆者も見比べてみたが、確かに花蕾は若干韓国品種の方が若干大きいように見える。
ただし、茎は日本品種がスラリと長いのに対し、韓国品種の方はずんぐりむっくりで下部の径が上部よりも明らかに長い。
茎に生える葉の量も多いことから、見た目だけで言うと芯は韓国品種の方が固そうであった。
“脱・日本品種”を加速せよ、と
韓国による農産物の“脱・日本品種”は続々と進んでいる。
ニューシスの「忠州(チュンジュ)米、日本品種の代わりに国産品種が増えるか(2022年11月29日) 」という記事には、2023年から忠州市は公共備蓄米穀の買い入れ品種を、韓国品種の「チャームドリーム」と「アルチャンミ」に変更することを明らかにしたとある。
忠州市のある忠清北道(チュンチョ~ンブㇰド)内で栽培されてきた外来品種のほとんどが日本品種で、品種名は「秋晴」「コシヒカリ」「ひとめぼれ」などであった。2020年基準の道内の「秋晴」栽培面積は7689ヘクタールで、全体の24%に達していたほどである。
米も photo/iStock
韓国の農村振興庁は、2024年までに全国の外来品種栽培面積を1万ヘクタールまで減らすという目標も合わせて発表している。
同庁は「チャームドリームやアルチャンミなどの方が稲が強く、米の味が良い」という認識だそうだ。
「みかん」の場合
マニートゥデイの記事「スマートファーム企業『LINT』が国産品種みかんで世界プレミアム果物市場に挑戦(2022.12.22) 」には、LINT社の取り組みが次のように紹介されていた。
「スマートファームシステムを開発・普及させて体系的な品質管理に成功したLINTが国産品種みかんに保有技術を優先適用した理由は、済州を代表する蜜柑の97%が日本品種であるためだ」
済州島で栽培されている日本品種のみかんは、日本が国内および海外での植物新品種登録出願を怠っていたことから、韓国からロイヤリティを受け取れないでいる。
シャインマスカットと同じだ。
そのため、韓国側はこのまま日本品種を栽培し続けても問題はないというが、「世界的に新品種に対する種子知識財産権が強化される傾向であるだけに、安定した果物生産および輸出のためには韓国品種の開発および競争力強化が急がれる」と判断、国際品種の開発に急いでいるというわけだ。
りんご、菊…
りんごに話を移そう。2022年時点では、韓国国内におけるりんご栽培面積の65%以上が「フジ」や「あおり」といった日本品種が占めていた。
それが最近では、韓国農村振興庁が1988年に開発した初の国産リンゴ品種「紅露」が徐々に増加している。
柿に至っては現状、韓国国内に流通するおよそ80%が日本品種の「富有」である。
「次郎」まで入れると日本品種が90%を超えるそうだ。そのため、韓国農村振興庁は2021年に「鳳凰」という品種を開発。2030年までには同品種の普及率を10%にまで高める計画である。
日本品種から韓国品種への置き換えは「菊」も同じような流れを辿っている。
2022年時点で輸入あるいは韓国内で栽培して流通する2億2000本万本のうち、ほとんどが日本品種なのだ。近い将来、韓国品種の栽培シェアが33%水準まで引き上げられるよう現在取り組まれている最中だ。
日本品種を「改良」
韓国で国産化が成功した事例にイチゴが挙げられる。2018年に平昌(ピョンチャン)冬季五輪で日本のカーリング選手が「美味しい」と絶賛して物議を醸した「雪香(ソルヒャン)」がそのイチゴだ。
ちなみに「雪香」は日本品種を改良して誕生したイチゴだ。
2005年時点で日本品種が90%以上を占めていた韓国のイチゴ界は、わずか15年後の2018年には「雪香」の占有率が95%と逆転した。ただし、2022年にはその占有率が約85%にまで落ちている。
しばらくの間は好調だったこの「雪香」。
だが、現在は存続の危機に瀕しているという。
え、味が落ちた…?
2022年、韓国のイチゴ農家は気候変動に悩まされた。ハウス内の温度が暑いときには40度近くまで上がり、炭疽菌などの病気が蔓延したからだ。炭疽菌とはカビによって引き起こされる病気で、イチゴ栽培における重要病害である。
この病気にかかったイチゴの苗は全て廃棄処分され、悲鳴を上げた農家が何件も発生した。そのため、韓国では昨今の気候変動に対応した新たな品種の開発が急がれているが、まだ見通しが立っていない。
日本で「韓国に苗を盗まれたと」問題視されている韓国産シャインマスカットは、2022年に入ってから「味が落ちた」「実が固くなった」と悪評が立つようになった。
今回ご紹介したブロッコリーやみかん、米などの農作物にも韓国の農業従事者は様々なリスクに対応できるよう今後対策を講じる必要性がある。日本の品種が高品質だと海外から評価される背景には、農業従事者による長年の努力がある。
