韓国の出生率が低すぎる「本当の理由」─女性たちが男性としたくない「4つのこと」
4/16(日) 9:30配信 クーリエ・ジャポン2月下旬に発表された韓国の2022年の合計特殊出生率(暫定値)は、OECD加盟国中最低の0.78という衝撃的な数字だった。これは、同じく少子化対策が急務とされる日本やその他の先進国と比べても、圧倒的に低い数字だ。
韓国の著しい少子化の要因として、高すぎる住宅価格や教育費などがよく指摘される。しかし、より根本的な原因は、私たちの予想をはるかに超える「男女関係の悪化」だと筆者は書く。現地で多くの韓国人にインタビューしながら彼女が目の当たりにした、韓国社会の深すぎる断層とは──。
ヘレナ・リーは、男性に対してことのほか寛大な気持ちになる日──たとえば、通りでハンサムな男性を見かけたとき──には、嫌悪感を脇に置き、「目の保養」として彼らを見ることもある。
ただし、いまのところはそれが限界だ。「男たちの頭の中身なんて、知りたくもありません」とリーは言う。たいていの場合、男性とはみじんも関わりたくないのだ。
「男性を信頼しようと心がけてはいます。『男を皆殺しにしろ』なんて思わずにね」と彼女は言う。「でもごめんなさい、私はほんの少しそっち側なんです。つまり、極端な側の」
女性たちが社会に叩きつける「4つのNo」
リーは父親から虐待を受けていたが、父親は彼女が6歳のときに家を出ていき、以来ずっと母親と祖母と暮らしている。小さな家母長制の家庭が自分にはしっくりくる、と彼女は言う。
髪型はボブで、私と会った日は黒いデニムのボタンダウンシャツとベージュのトレンチコートを着ていた。大学時代、彼女は男の同級生たちから、「同性愛者っぽいスタイルを直せばもっと可愛くなる」と言われたことがある。「最悪だったのは、私が腹を立てるとびっくりされたこと」だそうだ。男性側は褒めたつもりだったという。
現在24歳で、公務員試験に向けて勉強中の彼女は、米国人フェミニストのアンドレア・ドウォーキンの著作やカール・セーガンのSF小説が好きで、たまにロマンス小説も読むが、純粋なファンタジーだと思っている。
リーは韓国で展開中のボイコット運動に参加している。積極的に独身生活を選択する女性たちの運動だ。確実なことは言えないが、参加者はおそらく数万人規模に達しており、「4B」あるいは「4つのNo」運動と呼ばれている。
その主張は、「非恋愛、非セックス、非婚、非出産」というものだ(「非」は韓国語では「ビ」と発音されることから、「4B」といわれている)。
彼女たちは、「結婚離れ」という大きなトレンドの急先鋒だ。ある試算によると、現在30代半ばから後半にある韓国人のうち、男性の3分の1以上、女性の4分の1が生涯独身のままだという。それを上回る数の男女が、一生子供を持つことはないと思われる。
1960年には、韓国人女性は1人当たり平均6人の子供を産んでいた。だが、2022年の韓国人女性1人が生涯に産む子供の数は、わずか0.78人となる見込みだ。ソウルの出生率に至っては0.59人だ。このまま下降線を辿れば、ソウルの女性の2人に1人が親にならないという日も、そう遠くはなさそうだ。
ことごとく失敗する政府の少子化対策
多くの国で高齢化が進み、国によっては人口も減少している。2023年1月、中国は、飢饉に見舞われた1960年代以来初となる人口減少を記録した。米国の出生率はリーマンショックに端を発した大不況以来、低下の一途を辿っている(ただし、米国人女性の86%は、40代までに少なくとも1人の子供を産んでいる)。
だが、そのなかでも、韓国の出生率は世界最下位にまで落ち込んでいる。
韓国では、結婚と出産が他のどの国よりも密接に結びついている。2020年に生まれた婚外子はわずか2.5%と、OECD平均の40%以上と比べて格段に低い。
韓国政府は20年近く前から、結婚と出産の促進を図ってきた。2005年には少子化を国家的な重要課題と見定め、「低出産・高齢社会基本法」を制定し、5年ごとに改正している。
政府はまた、産休の拡大、出産時のボーナス増額、新婚夫婦に対するソウル市内の住居補助といった、数々の少子化政策を打ち出してきた。ソウル市長は、安く雇える外国人乳母を呼び込むため、ビザ制限の緩和を提案した。外国人の花嫁を探している独身男性に補助金を出している地方自治体もある。
2016年、政府は、出産適齢期の女性が地域ごとにどれだけ居住しているかを示す「出産マップ」をネット上で公開した。都市部の子供の数を増やそうとする試みだったが、あまりにも愚策だった。フェミニズム団体は抗議運動をおこない、女性たちは「私の子宮は国の公共財でもなければ、赤ちゃんの自販機でもない」と書かれた横断幕を掲げた。その後、マップは取り下げられた。
政府はこれまで、1500億ドル(約20兆円)以上を投じて、より多くの赤ちゃんを誕生させるべく対策を講じてきた。しかし、どれひとつとして成功していない。
急速な経済発展と進まない社会の変化
韓国の人々が子供を持たないと決断する理由はさまざまだ。若者たちは、首都ソウルの家賃の高さ(ソウルには国民の約半数が暮らしている)、競争の苛烈な学歴社会における子育て費用、家庭生活に配慮のない過酷な職場環境──とりわけ、家事と育児のほとんどを担うよう求められる女性にとって──などを障壁として挙げる。
だが、そこには、より基本的なダイナミズムの見落としがある。それは、韓国メディアが「ジェンダー戦争」と呼ぶ、男女関係の悪化である。
「いま、最も根本的な問題は、多くの女性たちが『もうこの状況に耐える必要はない』と気づいたことだと思います」とリーは言う。「単にやめればいいと気づいたのです」
出生率の急落は、韓国社会の急速な変化に根本の原因がある。朝鮮戦争後、多くの人が村から都会に移り住み、悲惨なほど低賃金で働いた。それは、後に「漢江(ハンガン)の奇跡」として知られるようになる国家主導の経済改革の一環だった。高校や大学への進学率は飛躍的に増加した。
民主化運動の高まりは、やがて1987年の軍政崩壊につながり、新たに自由な時代が到来した。1997年の金融危機の後、企業はリストラを断行し、雇用の安定と引き換えに長時間労働を要求する韓国の企業文化は、不安定な様相を呈すようになった。
一方で、ジェンダーロールの進歩は遅かった。ソウル大学の社会学者チャン・キョンスプは、韓国の急速な経済発展と、家族制度をはじめとする社会制度の緩慢でムラのある進歩という組み合わせを表現するため、「圧縮された近代」という用語を作り出した。
ますます多くの女性が高等教育を受けるようになり、2015年には、ついに男性の進学率を上回った。それでも、高学歴の女性たちは、しばしば結婚や出産を機に労働力から脱落することを要求された。家族が社会の基本単位であることに変わりはなく、旧体制でも新体制でも、家族の責任はほぼ女性のみが担っていた。
女性の向上心は増大したが、妻や母であることの意味は少しも変わっていない。結果として、男女間の溝は深まり、軋轢が生まれたのである。(続く)
韓国の男女間の軋轢とは具体的にどんなもので、彼らはお互いをどのように思っているのだろうか。後編では、さまざまな人へのインタビューを通じて、その実態を明らかにしていく。
Anna Louie Sussman
https://news.yahoo.co.jp/articles/44ec7136e605449d92b4e3a52b1b814428b55b99
少子化は韓国に限った問題ではないのですがひときわ深刻な原因が気になるわけですが、
結局何なんだよぉ。
後編をまたなくては^^;
・・・ (´゚д゚`)