弥生時代の大規模集落遺跡・青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡(鳥取市)の最新の研究成果を紹介するシンポジウム「続々・倭人(わじん)の真実」が16日、同市のとりぎん文化会館であった。DNA情報などから顔を復元した「青谷上寺朗(かみじろう)」の「第2弾」として復元を進めていた弥生人女性の顔について、詳細な分析を進めた結果、対象の頭蓋骨(ずがいこつ)が男性だったと報告された。20歳未満の若い個体で判別が難しかったという。県は近く、新たに復元した顔を公開する。
同遺跡は弥生時代に交易拠点として栄えた港湾集落。約1800年前の少なくとも109体分の人骨が2000年に出土し、世界的にも珍しい古代人の脳も見つかった。県の昨年の発掘調査で新たに約350点の人骨が出土し、木製品も大量に出土した。
シンポジウムでは4人の専門家が最新の研究成果や仮説を紹介した。
国立科学博物館の神沢秀明・人類研究部研究主幹は、同遺跡の人骨の遺伝子分析について報告。当初は女性と考えられていた復元対象の頭蓋骨について「女性だとみていたが、若い個体で難しかった」と説明した。男性的な特徴が頭蓋骨にまだ顕著に表れていなかった可能性があるという。
詳しく調べた結果、この男性は髪が太く、肌の色調がやや濃いめ、二重まぶたで眉毛が濃く、アルコール耐性が高いといった特徴を持っていたことが分かった。そっくりさんで話題を集めた「青谷上寺朗」とは異なり、やや渡来的なグループに入るという。
同遺跡の人骨の遺伝子情報は個体によってばらつきがあり、多様性があるといい、神沢さんは「周辺地域との交流がないと説明がつかない。古代都市の重要な拠点だったのではないか」と話した。