地域によってこんなに違う!「日本全国カレー白書」
ハウス食品が実施した「カレー調理実態調査」から判明した地域別のカレーの特徴についてご紹介します。カレーに使う具材やトッピング、好みの味つけなど、エリアによって面白い特徴の数々が。現地在住や出身の方のリアルな声も交えてお伝えします!
【具材】魚介、ぶなしめじ、牛肉でエリアごとに好みが分かれた!
【トッピング】福神漬けなどの王道から、ゆでたまご、チーズまで好み色々!
【辛さ】各家庭で“オリジナル”の辛さを追求しているエリアも!
【付録】全ランキング早見表
【具材】魚介、ぶなしめじ、牛肉でエリアごとに好みが分かれた!
全国でカレーに使う具材のトップ3は、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもで不動の地位を築いています。ではそれ以外の肉や魚介、他の野菜は何が選ばれているのでしょうか? 期待を裏切らない結果もあれば、意外な具材がランクインしているものも。ぜひカレーを作るときの参考にしてみてください。

【北海道エリア】具材に魚介を使う率No.1
北海道エリアではカレーの具材に魚介を使用する率は6.8%。全国平均が1.8%なので、それに比べると約4倍という結果に! 魚介は比較的高級な食材が多いので、他のエリアの人からすると、とてもうらやましい調査結果なのではないでしょうか。
北海道在住男性
僕も、えびの出汁を使った魚介カレーを作ります。北海道で有名なスープカレーも、えび出汁や魚介を具材に使ったものが多いです。
【東海・北陸エリア】具材にぶなしめじを使う率No.1
具材のトップ3は、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもですが、なすやぶなしめじも1割程度を占めています。中でも、東海・北陸エリアではぶなしめじを使う率が全国一という結果に。ぶなしめじのしゃきっとした食感は歯ざわりもよく、またヘルシーなので健康面でも◎。まだ試したことがない人はぜひ試してみては?
愛知県出身女性
名古屋で生まれ育ちましたが、私の実家のカレーにもぶなしめじが入っていました!
【関西エリア】お肉に牛肉を使う率No.1
カレーに使う肉と聞いて思い浮かべるのはどんな肉ですか? 全国平均では、豚肉、牛肉、鶏肉の順番で支持されていますが、関西エリアではなんと約6割の人が牛肉を選んでいます。一般的に、東は豚肉、西は牛肉と言われていますが、それを証明するような結果がでました。
大阪府出身女性
カレーと言えば牛肉でしょ! 「豚肉は?」と言われたら、「それはもはやカレーではなくポークカレーやん!!」……というツッコミを入れます(笑)
【トッピング】福神漬けなどの王道から、ゆでたまご、チーズまで好み色々!
盛りつけたカレーライスに彩りを添えるのが、カレーの上にのせるトッピングと、らっきょうや福神漬けなどの添え物。見た目の変化はもちろん、味の変化も楽しめるとあって、地域によって異なる個性豊かな調査結果が明らかに!
【東北エリア】薬味に福神漬けを選ぶ率No.1
カレーに添える薬味の代表格と言えば、福神漬けとらっきょう。東北エリアでは福神漬けを添える人の割合が4割強と、なんとらっきょうを選んだ人の数と比べて4倍近いことが分かりました。ちなみに、全国平均でも、らっきょうより福神漬けを選ぶ人が多いという結果に。
宮城県出身男性
実は、昔は漬物が苦手だったので、福神漬けは添えていませんでした……。でも、通っていた学校の学食のカレーには、当たり前に福神漬けが添えられていましたよ。
【東京エリア】トッピングにゆで卵を選ぶ率No.1
カレーをご飯の上にかけて、その上にゆで卵やチーズをトッピングする人も多いのではないでしょうか。ゆで卵をトッピングする人の割合が、堂々の全国1位に輝いたのは東京エリアです。
東京都出身男性
毎回ではないけど、家でもお店でもゆで卵をトッピングすることはありますね!
カレーのスパイシーさを、ゆで卵がマイルドにしてくれますよ。
【九州エリア】トッピングにチーズを選ぶ率No.1
九州エリアでは、カレーのトッピングにチーズを選ぶ人の多さがNo.1という結果に。いつものカレーも、コクとまろやかさがぎゅっと詰まったチーズをかけることで、味と風味がワンランクアップしそうです。ちなみに、福岡の門司は「焼きカレー」発祥の地と言われていて、「焼きカレー」にはチーズがトッピングされているので、この組み合わせに慣れ親しんでいる人が多いのかもしれません。
福岡県出身男性
うちは家族揃ってチーズかけます! 特に2日目は、グラタン皿にごはん、カレー、チーズとのせて、オーブンで焼いて食べていましたね。
【辛さ】各家庭で“オリジナル”の辛さを追求しているエリアも!
カレーの辛さは人それぞれに好みがあるもの。それゆえ、ルウを買う時には、甘口、中辛、辛口から好みのタイプを選びますよね。しかし、買ったものをそのまま使わず、調理時にもひと工夫して「好みの辛さ」を追求しているエリアがありました。
【中四国エリア】同じ銘柄で複数の辛さをブレンドする率No.1
中四国エリアは、同じ銘柄の辛さの違うルウを複数ブレンドして、好みの味を楽しんでいる人の割合が多いということが判明。同じ銘柄なら、辛さの違うルウを混ぜても味が喧嘩することなく、好みの辛さが楽しめそう。
岡山県出身女性
私は必ず同じブランドの甘口と辛口をブレンドします。それで作る自分好みの中辛が好きだからです! そのブランドの中辛とはまた違うんですよね〜。
【付録】全ランキング早見表
最後に、今回の調査結果の詳細を「早見表」にまとめてご紹介! 記事内では紹介しきれなかった情報も、ぜひチェックしてみてくださいね。

日本のカレーはひとつじゃない|47都道府県のご当地&家庭カレーを徹底紹介
日本のカレーは地域と家庭でまったく異なります。北海道のスープカレー、横須賀海軍カレー、金沢カレー、門司港焼きカレーなど、47都道府県に広がる日本式カレーの多様性と歴史を紹介します。
47都道府県に広がる“多様なカレー文化”
序章:世界が知らない「日本のカレー」の奥深さ
第1章 日本のカレーのはじまり ― 明治の輸入から国民食へ
第2章 カレーの多様化 ― 洋食・和食・中華との融合
第3章 家庭の味が生んだもう一つの“地方性”
第4章 地域が生んだ個性派カレー ― ご当地カレーの世界
第5章 トッピングとスタイルの無限進化
第6章 海外が知らない「日本式カレーの多様性」
第7章 未来へ ― カレーが描く日本の食文化のこれから
終章:カレーは“多文化共生の象徴”
47都道府県に広がる“多様なカレー文化”
序章:世界が知らない「日本のカレー」の奥深さ
海外で「Japanese curry」と言えば、たいてい思い浮かべるのは
カツカレーやCoCo壱番屋のようなスタイルでしょう。
とろみのあるソースをご飯にかけ、スプーンで食べる――。
確かにそれが“日本式カレー”の代表ですが、実はそれだけではありません。
日本では明治時代の導入以来、150年以上にわたり、
カレーは家庭、学校、レストラン、そして地域ごとに姿を変えてきました。
その結果、いまや日本には「47都道府県それぞれのカレー文化」が存在しています。
“日本のカレーの多様性”を、歴史・家庭・地域の3つの視点から紐解きます。
あなたが知っているカレーとは、きっと少し違う“もう一つの日本”が見えてくるはずです。
第1章 日本のカレーのはじまり ― 明治の輸入から国民食へ
日本にカレーが伝わったのは、明治初期(1870年代)。
驚くことに、インドではなくイギリス経由でした。
当時、イギリス海軍が「栄養価の高いスパイス煮込み」として取り入れていた
“Curry Stew”を、日本海軍が参考に導入したのが最初です。
海軍では、脚気予防のために肉・野菜・米を一皿で食べられる料理が求められていました。
その理想に合致したのがカレーだったのです。
明治後期には、銀座や横浜の洋食店で「ライスカレー」として提供され始め、
ハイカラな西洋料理として広がっていきます。
そして、昭和に入る頃には、軍隊や学校給食を通じて一般家庭にも定着。
「カレーライス」は、パンでもナンでもなく、白いご飯と一緒に食べる西洋料理として
世界でも類を見ない形で日本に根づきました。
第2章 カレーの多様化 ― 洋食・和食・中華との融合
日本人は、どんな外来料理でも自分の生活に合わせて再構築する名人です。
カレーも例外ではありませんでした。
洋食との融合:ビーフカレー、欧風カレー
ホテルのレストランでは、フランスのデミグラスをベースにした“欧風カレー”が登場。
ルウを濃厚にし、赤ワインやブイヨンで深いコクを出すこのスタイルは、
今も銀座や神戸の老舗洋食店で受け継がれています。
和食との融合:カレー南蛮、だしカレー
蕎麦屋では、和風だしとカレー粉を組み合わせたカレー南蛮そばが人気に。
“とろみのあるつゆ”が日本人の味覚にぴったり合い、
うどん・丼ものなどにも応用されていきました。
中華との融合:カレー炒飯、カレー餃子
町中華では、炒飯やラーメンにカレー味を取り入れる“日本式中華カレー”が誕生。
のちに「カレーラーメン」や「カレー餃子」など、創作メニューへと発展していきます。
このように、カレーは「洋食」「和食」「中華」をつなぐ“橋渡し”のような存在となりました。
第3章 家庭の味が生んだもう一つの“地方性”
カレーが真に“国民食”になったのは、戦後のことです。
1968年、大塚食品が世界初のレトルト食品として発売した「ボンカレー」。
1973年にはハウス食品の「バーモントカレー」が登場し、
甘口・まろやか・子どもでも食べられる味が全国に広がりました。
ルウが作った“共通言語”
この即席ルウの登場により、誰でも手軽にカレーを作れるようになりました。
しかし面白いのは、同じルウでも家庭によって味が違うこと。
玉ねぎをしっかり炒めて甘くする家
ウスターソースやチョコを“隠し味”にする家
豚・牛・鶏のどれを使うかも家庭次第
つまり、カレーは“家庭の個性”を映す料理になったのです。
「家庭ごとの味」が積み重なって、やがて“地域ごとの味”が形成されていった。
日本のカレーの多様性は、家庭の台所から始まったのです。
第4章 地域が生んだ個性派カレー ― ご当地カレーの世界
日本の各地では、地元の食材や文化を活かした“ご当地カレー”が発展しました。
その数、レトルトを含めると5,000種類以上とも言われます。
北海道:スープカレー
1990年代、札幌の「マジックスパイス」から始まった“飲むカレー”。
スパイスが香るスープに大きな野菜とチキンを入れ、スプーンでいただく。
寒冷地の体を温める、まさに“北海道型カレー”。
関東:横須賀海軍カレー
明治の海軍レシピを忠実に再現。牛肉・じゃがいも・人参が基本。
今では「カレーの街よこすか」として観光資源にもなっています。
北陸:金沢カレー
濃厚なルウ、キャベツの千切り、カツ、ステンレス皿――
一度見れば忘れない“金沢流フォーマット”。
昭和の洋食文化をそのまま残した、完成された地方ブランドです。
九州:門司港焼きカレー
ご飯の上にカレー・チーズ・卵をのせてオーブンで焼く。
香ばしさとまろやかさの融合は、九州の“洋食魂”を象徴します。
このように、各地の風土・食材・嗜好がカレーの味に反映され、
「カレー=地域の物語」を語る時代がやってきました。
第5章 トッピングとスタイルの無限進化
日本のカレーの魅力は、なんといっても自由さです。
トッピングや食べ方に制限がない。
それこそが“カレー文化の民主化”を象徴しています。
カツカレー ― 洋食とカレーの幸福な結婚
戦後の洋食ブームの中で誕生。
サクサクのカツととろみのあるカレーソースの組み合わせは、
まさに日本人の味覚を代表する「完全食」。
トッピングの多様化
チーズ、半熟卵、ナス、ほうれん草、唐揚げ、海老フライ――。
家庭や店ごとに無限のバリエーションが存在。
さらに、ヴィーガンカレーやグルテンフリー対応など、時代に合わせた進化も進む。
スパイスカレーの再興
大阪を中心に広がる“スパイスカレー”ブーム。
小麦粉を使わず、スパイスそのものの香りを生かすスタイル。
日本のカレーが「原点回帰」しつつ、新しい表現を獲得している。
第6章 海外が知らない「日本式カレーの多様性」
海外では「Japanese curry=カツカレー」というイメージが強いですが、
実際の日本のカレーは、もっと広く・深く・多彩です。
食文化的には:洋食・和食・中華・家庭・郷土を横断するハイブリッド料理
味覚的には:甘口~激辛まで自在、具材も海産・肉・野菜を自由に選べる
社会的には:学校給食から高級ホテルまで共通の“言語”として存在
つまり日本では、カレーが「国民共通の体験」になっているのです。
近年では、イギリスのWagamamaやCoCo壱番屋が世界進出し、
“Japanese curry”という言葉そのものがブランド化しています。
次に世界が驚くのは、きっと“ご当地カレー”や“家庭カレー”の多様性でしょう。
第7章 未来へ ― カレーが描く日本の食文化のこれから
日本のカレーは、すでに“完成形”ではありません。
いまも進化を続けています。
スパイスカレーやクラフトカレーなど「個性型ブランド」の台頭
地方創生と連動した“地域ブランドカレー”開発
海外輸出・インバウンド需要に対応した英語パッケージ化
ヴィーガン・低糖質・健康志向への対応
カレーは、もはや単なる料理ではなく、
日本人の多様性と創造性を象徴する文化なのです。
終章:カレーは“多文化共生の象徴”
インドで生まれ、イギリスを経て日本に渡り、
いまや日本から世界に逆輸出される――。
カレーの旅は、まさに「文化のリレー」そのものです。
そして日本では、その味が“家庭の記憶”となり、
“地域の誇り”となり、“世界へのメッセージ”へと変わりました。
一皿のカレーには、国境も世代も越えた「つながり」がある。
それこそが、日本のカレーが世界で愛される本当の理由なのです。