私は病院が苦手だ。
純粋に怖いから。
それなのに覚悟を決めて病院に行ったのは
何か月も胃の痛みがなくならないから。
夫に相談したら胃潰瘍の可能性があるから一度胃カメラで検査したほうがいいという。
それで検査を受けられるか病院に電話した。
「受付時間は何時まででしょうか? 胃潰瘍かもしれないので今から行っても胃カメラの
検査を受けられますか?」
この言い方が間違いだった。
「胃潰瘍って誰が言ったんですか?」
受付の人の言い方がちょっと詰問調だったので相手を不快にしたくないと思って
「夫が医者なので何か月も胃が痛いというと胃潰瘍の可能性があるから
胃カメラを飲んで検査したほうがいいといったんです」
すると
手のひらを返されてしまった。
医者? お名前は? そしてすぐに先生に聞いてみます、と言う。
その後もいちいち私が何か言うと診療中の医者に話を通そうとするので
「先生は診療中でお忙しいでしょうからどうかもう話を通さないでください」
と頼まなければならない。
こんな風にちょっとしたことで診察を邪魔されたら
先生が気を悪くするかもしれないし気を悪くしたら夫との関係に
悪い影響があるかもしれない。
そして診察室に入ると先生から
「〇〇先生にはいつもお世話になっています」
と必ず言われる。
「こちらこそお世話になっています」
と答えて夫の立場が悪くならないように控えめにふるまう。
こういうのってすごく気を遣う。
本当に医者のネットワークは私が思うより広くて
私がどうしても不眠に悩まされてある内科に行ったとき
「睡眠薬を出してくださいって今までどちらの病院に行っていたんですか?
なぜそこでもらわないのですか?」
「すみません。夫が医者なので夫が処方してくれていたのですが痴呆を誘発する
可能性があると言ってよほどのことがない限り出してくれないのです」
この話の流れではこの医者も睡眠薬を出したがらない。
そこを頼み込んで何とかもらったけど
「うちの主人に会ったとき、私が睡眠薬を処方してもらったのを内緒にしてくださいね」
とお願いしなければならなかった。
必然的にもうその病院には行けないことになる。
夫が医者だとなかなか不便だ。