フランス政府は21日、イスラム教徒の女性が顔や全身を覆う衣服「ブルカ」について、公共の場での着用を禁止する法案を近く議会に提出すると発表した。同国の国務院(日本の最高裁判所に相当)は、ブルカ禁止の法制化には「違憲の可能性がある」と指摘していたが、これを押し切って成立を目指す方針だ。
政府によると、「ブルカ」以外に、目だけを出す「ニカブ」も対象とするという。役所や学校など公共機関のほか、電車内や路上、商店、食堂などで禁止され、違反者には罰金が科される内容になりそうだ。
政府は1月、同様の法制の是非について、国務院に判断を要求。同院は、ブルカ全面禁止は「人権侵害の可能性がある」と指摘する一方で、治安上の観点や本人確認の必要性から、学校や裁判所、病院など一部の公共の場では顔の露出を求められるとしていた。
政府幹部は、国務院の判断に挑戦する形での法案提出の理由を「ブルカはフランスの価値観に反するもので、未来を見据えた法案だ」とした。サルコジ大統領も昨年から「ブルカは女性隷属の象徴であり、我がフランスに存在場所はない」と強調していた。
既に577議席ある下院では200人近くの議員が同様の法案を共同提出しており、ブルカ禁止には右派左派問わず幅広い支持がある。フランスは、既に同様の法案が成立する見通しのベルギーとともに、自国がブルカを禁止することによってEU全土への波及を目指す。一方で、一部のイスラム団体は「自由権の侵害だ」と反発している。
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/100422/mds1004220026000-n1.htm