北海道から宇宙をめざせ カムイロケット開発、順調軌道へ
「カムイロケット」が生まれたのは、北海道のほぼ中央にある赤平(あかびら)市。教授を応援したのは、社員20人足らずの町工場「植松電機」。永田教授が国の研究予算を獲得できずに困っていたところに、植松電機専務の植松努さん(41)が援助の手を差しのべた。
「永田先生のために出すのではなくて、この研究が北海道のため、ひいては日本のために必要だからやるんです」。研究費の支援もさることながら、永田教授は植松専務のこの言葉に胸を打たれたという。開発には北大の学生と、手弁当で参加している植松電機の社員有志があたっている。
夜を徹して準備する打ち上げ実験の当日は、近くの酪農家が牛乳を差し入れてくれた。打ち上げ後、海に落ちるロケットを地元の漁船が回収してくれるのも、研究の大きな助けになっている。
赤平市がある空知地方は、かつての産炭地。最盛期の昭和35年には6万人近かった市の人口は、閉山後減り続け、現在は約1万4千と、往時の4分の1以下に減ってしまった。かつての賑わいは失われたが、モノづくり企業の底力と地元の人々の協力が「カムイロケット」の開発を支えている。
実験用のロケットとして、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究が決まるなど、「カムイロケット」はいま、着実に宇宙開発研究のなかで大きな役割を担いつつある。
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