北朝鮮軍が砲撃に踏み切った真の理由は石油の払底
米韓軍は北朝鮮軍の崩壊を狙う
北朝鮮は11月23日、北朝鮮からわずか12キロメートルしか離れていない、韓国領の延坪島を砲撃した。この砲撃で、韓国海兵隊の兵士2人と民間人2人が死亡し、南北関係と米朝関係の緊張が高まった。なぜ、北朝鮮は民間人の居る島を突然砲撃したのか。この背景には、石油が底を尽き崩壊に直面する北朝鮮軍の危機と、強硬派軍人の台頭、軍内部の主導権争いがある。また、中国による6カ国協議主席代表の緊急会合の提案は、国連安保理での問題処理を回避するための作戦であった。
米韓軍の常識:北朝鮮軍が使える石油はわずか30万トン
北朝鮮軍には、もう石油が無い。これが、今回の事件の軍事的背景である。北朝鮮の軍は、年間どのくらいの量の石油を使用できるのか? 想像できないほど少ないのだ。日本ではこの事実を、専門家はもちろん政治家、外交官もまったく知らない。これを知らずに砲撃事件を考えると、判断を誤る。
いっぽう、韓国軍と在韓米軍の幹部の間では、これは常識である。韓国軍と在韓米軍の司令部はこれを正確に把握しているから、今年の7月以来、軍事演習を断続的に継続してきた。これは、北朝鮮軍に石油を消費させ、干上がらせて軍事力を低下させる作戦であった。この作戦が、成果を上げたことになる。
北朝鮮の軍は、年間わずか30万トンの石油しか使用できない。これがいかに少ない数量かは、石油を扱ったことのない人には実感できないかもしれない。例えば、成田空港で1年間に使用するジェット燃料の量は、380万トンである。日本の自衛隊が、1年間に使用する石油は150万トンである。また、日本の都道府県で石油消費量の最も少ない自治体でも200万トン弱である。北朝鮮の石油確保量は、最大で年間80万トン程度だ。
こうして見ると、北朝鮮軍が保有する石油が、いかに少ないかを理解できるだろう。これは、ウソではなく本当なのだ。どうして分かるのか? 北朝鮮が中国から輸入する年間の原油量は、約50万トンである。これは、事実上中国の援助である。本当は代金を払う約束だが、払えないので支払いが遅れている。中国は、北朝鮮が市場価格で代金を支払わないと、これ以上の量は供給しない。