豊田通商、精製工場建設を発表:
日本にレアアースを供給へ
豊田通商(愛知県名古屋市)は8日、インド東部オリッサ州にレアアース(希土類)の精製工場を建設すると発表した。
早ければ2011年初めにも着工し、同年末までに稼働、12年から年間3,000~4,000トンを供給する計画だ。
同社はベトナムでもレアアースの開発を進めているが、これらにより中国への依存度を大幅に減らせる見通しだ。
豊田通商の広報担当者が9日、NNAに説明したところによると、工場の建設地はオリッサ州ガンジャム県のチャタルプール。敷地面積は5万平方メートルで、建屋面積は1万平方メートルに上る。投資額は公表していない。
新工場ではハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)用のモーターなどに使われるネオジム、排ガス用触媒などに使われるセリウム、光学ガラスの原料などに使われるランタンの3種類のレアアースを生産する予定。プロジェクトには、インド原子力庁傘下のインディアン・レアアース(IRE)と信越化学工業の協力を仰ぐ。
IREはインドで潤沢に埋蔵が確認されている海岸の漂砂鉱床から採掘・選鉱されたモナザイト鉱石を基に、ウランやトリウムといった原子力発電の燃料を抽出している。新工場では、その際に副産物として産出される混合塩化希土を原材料として用いる計画だ。信越化学は工場への技術支援や製品の引き取りを行う予定で、IREや石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と共に豊田通商のインド法人、豊通レアアース・オリッサ(TREO)に出資する方向という。出資比率については「現在、検討してもらっている段階」(豊田通商の広報担当者)だ。
工場で生産されたレアアースは主に信越化学に納入する。日本以外への供給については「日本でどの程度必要になるか」(同)を見定めてから検討するが、当面計画はないという。
豊田通商の広報担当者によると、日本国内では自動車産業でレアアースの使用量が多い。同社はレアアースの供給確保を通じ、「トヨタグループの一員として、できる限り日本の産業に貢献したい」考えだ。