2010年12月15日
「小日本」より背が低い中国人=「隠れた飢餓」が子どもたちをむしばむ―中国
日本人を罵る中国語に「小日本」というものがあります。 「小」という言葉には侮りや小国という意味があるだけではなく、「チビの日本人」という意味も含まれているのだとか。ところが、実は平均身長で見ると、日本人のほうが中国人より大きいそうです。
蒙牛 / Kansir
ちょっと古い記事となりますが、2008年6月13日付莱蕪新聞網の記事「世界各国の男性及び中国各省の平均身長ランキング」によると、 日本人男性の平均身長は170.7センチで29位。 中国は169.7センチで32位なのだとか。 結構中国人は驚くネタだったりします。 日本人の平均身長が戦後、伸びたこと。 中国は遺伝的に地域差が大きく、背が高い人が多い地域もあれば低い人が多い地域もあることなどが理由となって、「チビの日本人」という印象と統計とが乖離することになったのではないでしょうか。
さて、ここまでが話の枕。今回、ご紹介する「隠れた飢餓」の問題もまた、中国人の身長という問題にかかわっています。
貧困地域で肉、卵、牛乳などの肉類タンパク質が摂取できない。自家栽培の同じものを食べ続けることで(イモばっかり、トウモロコシばっかりなどなど)、必要な微量栄養素が不足するといった問題から、「隠れた飢餓」が生まれているとのこと。「隠れた飢餓」とは、微量栄養素の不足から農村の子どもたちが発育不全に陥っていることを指す。決して明確な症状として表れるわけではないが、子どもたちの学習能力を奪い、体格や知力の発展に影響し、最終的には成年後の労働能力にまで悪影響を及ぼしている。
中国学生栄養・健康促進会の馬冠生副会長によると、陝西省などの貧困地域で実施した調査の結果、現地の学生の栄養環境、とりわけ微量栄養素不足は深刻な状況にあることが分かったという。鉄分不足に陥った子どもは他の子どもと比べてIQが5~8程度低くなる。こうした知力障害が一生回復することはないという。またタンパク質不足になると、IQは15も低くなるという。
米メリーランド州在住の中国人医師・金福生氏によると、いわゆる「隠れた飢餓」は中国の農村の多くでは、単一の農作物、単一の子ども用食品を食べていることに由来するという。
「辺境の農業地域ではこうした現象が起きています。肉類タンパク質を食べる機会が少なく、それどころか牛乳を飲む機会すら比較的少ないのです。肉には鉄、アミノ酸、カルシウム、マグネシウム、その他ミネラルが含まれている。肉類タンパク質を食べる機会が少なければ、栄養不全に陥ります。つまり必要な食事をとれていないのです。一部地域ではじゃがいもだけを食べている。それでは他の栄養素が足りません。
別の地域ではクズイモだけ、あるいはトウモロコシだけ食べているという状況です。
また一部地域では環境汚染の問題もあります。」
農民たちの複数の種類の農作物を育てるよう指導すること。あるいはビタミン剤を支給することで容易に解決すると金氏は話している。
2010年12月付RFAの記事「中国共産党衛生部官僚:農村児童には深刻な「隠れた飢餓」問題が存在する」を参照。
引用した記事では主にIQが話題となっているようですが、体格差の問題も歴然としています。 中国の農村部に行ったことがある人はわかると思いますが、都市部よりも明らかに平均身長が低いのです。農村部の栄養状況を改善すれば、あるいは身長でも「小日本」を抜くことは十分可能かも。
「影帝」(俳優王)と揶揄される温家宝首相は、2006年に「私には夢がある。全ての中国人、まずは子どもが毎日500グラムの牛乳を飲めること」と発言しました(参考リンク)。ネット民からは「またパフォーマンスだ」と揶揄されたようですが、「隠れた飢餓」問題解消のためにはきわめて有効な手段であり、言っていることに間違いはありません。
問題はその夢を実現するために実質的な行動がとれているどうかということなのですが……。温家宝発言から4年、牛乳ドリームはまだまだ実現にはほど遠いようです。