インド国民12億人の巨大市場に新旋風を巻き起こすと期待された同国自動車大手タタ・モーターズ(Tata Motors)の「世界一の低価格車」ナノ(Nano)が、予想外の売れ行き不振にあえいでいる。
■11月の販売わずか509台、前年比85%減
ナノは、二輪中心のインド国民の「足」を四輪に乗り換えさせるとのうたい文句を掲げて発売された。
開発を指揮したタタのラタン・タタ(Ratan Tata)会長を、T型フォードで米市場に革命をもたらしたフォード・モーター(Ford Motor)創設者のヘンリー・フォード(Henry Ford)氏になぞらえる声もあった。
しかし、11月のナノの販売台数は過去最低の509台と、前年同期比で85%も急落した。
インド自動車市場そのものは急拡大を続けており、他社の小型車の販売は好調だ。
日本のスズキ(Suzuki Motor)のインド子会社、マルチ・スズキ・インディア(Maruti Suzuki India)が製造するアルト(Alto)は、ナノの次に低価格とはいえ、価格差は2倍近い。にもかかわらず、11月に
3万3000台を売り上げた。
ナノ不振の背景には、相次ぐ発火事故や製造の遅れなどが指摘されている。
建て直しに躍起のタタは今月、ナノの保証期間を18か月から4年に延長し、メンテナンス契約を月額99ルピー(約180円)で提供する「タタ・ナノ・ハッピネス・ギャランティー」キャンペーンを実施。
さらに、48時間以内に申込者の9割に自動車ローンを提供する新たなローンも開始した。