小都市・山形県鶴岡市の田んぼのど真ん中に「アル・ケッチァーノ」という、最近人気のイタリア料理店がある。シェフの奥田政行さんは日本で有名な人気シェフだ。奥田さんはイタリアに料理留学後、「地元の食材の新鮮さを最大限生かす」という料理哲学で日本人の舌をとりこにしている。シェフ特選のコース料理は韓国ウォンで10万ウォン(約7400円)ほどだが、全国の美食家が殺到し、予約なしではなかなか料理を味わうことができないという。
奥田さんは、山形の農産物を全国にPRする伝道師でもある。約50軒の地元農家と契約し、牛肉や野菜などの食材を仕入れている。奥田さんの料理が有名になり、地元の農産物の販売量も急増した。イタリア料理の食材は輸入品でなければならないという常識を覆し、外国料理にも「地産地消(地域の特産品を地域内で消費する)」を広めたのだ。山形県は、地元の農産物をPRするため、東京・銀座に同店の支店をオープンしたほどだ。
農民が地元の農産物を生かした「農家レストラン」も人気だ。農民らによって設立された市民団体「清澄の村」が運営するレストランも、地元の野菜を生かした料理で人気を集めている。古民家を改装したレストランだ。この農家レストランには、郷土料理ばかりでなく、地元特産の桃を使用したパスタのように、フランス料理やイタリア料理と地元の食材をコラボレーションさせた、都会的かつ異国的な料理も多い。
庶民が気軽に味わえるB級グルメを通じた地域活性化戦略も流行している。毎年、B級ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」が開催されている。来場者が箸で投票し、優勝者を決める。昨年厚木市で開催された同大会は、来場者が40万人を超えた。同大会で「富士宮やきそば」「厚木シロコロ・ホルモン」「甲府鳥もつ煮」が全国的に有名な料理となった。出品作は特定の料理店のメニューではなく地元を代表する料理であるため、同大会で優勝すれば、地元の料理店全体が有名となる。さらに地元の料理店が共同で参加することから、店主らが料理の味を高めるソースを開発し、品質を均等に維持することのできる方法も研究される。このためおのずと地元料理店の水準をワンランク高める契機となる。
テレビ番組の中で有名タレントが地域の名物料理を食べる際、必ずといっていいほど「おいしい」を連発する。地域の美しい景観を背景にし、おいしい料理を紹介されると、一度行ってみたいという気持ちになる。日本はこのように、和食のグローバル化を超え、料理を通じた地域経済活性化に力を注いでいる。韓国も、地域の良さと味を同時に生かすことのできる創意と努力を重ねれば、料理が地域経済の活性化にとって大きなプラスとなるはずだ。
東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版