最近、現代重工業の蔚山造船所や巨済島にあるサムスン重工業、大宇造船海洋の造船所に行くと、作業用ヘルメットをかぶった西洋人エンジニアの姿が目に付く。彼らは米ヒューストンに本社を置くナショナル・オイルウェル・バルコ(NOV)のエンジニアだ。NOVは最大3600メートルの深海で1万2000メートルまで掘削を行うことができる掘削装置を生産し、ドリルシップ(深海掘削船)などに設置する企業だ。掘削装置は1基で1億ドル(約80億円)を超えるほど、ドリルシップのうち最も高価な設備だ。NOVは昨年の売上高が122億ドル(約9810億円)、営業利益が25億ドル(約2010億円)で、営業利益率は21%だった。
韓国の造船業界は、ドリルシップやFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)など海洋プラント市場で年初来180億5000万ドル(約1兆4500億円)を受注するなど市場を独占しているが、ある悩みを抱えている。それは、掘削装置のように外国製品への依存度が非常に高いことだ。
掘削装置の分野は、NOVとノルウェーのアケルMHによる寡占状態にあるため、ドリルシップやFPSOには両社いずれかの製品が搭載されることになる。
■受注収入の大半、海外企業へ
年初来、現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋が名を連ねる韓国造船業界の「ビッグスリー」が受注した海洋プラントは、世界の受注市場の80%を占め、受注額は昨年1年間の140億4000万ドル(約1兆1300億円)を既に超えた。海洋プラントの受注額は、一般船舶の受注規模も上回った。
サムスン重工業の場合、年初来の受注額105億ドル(約8400億円)のうち、海洋プラントが69%の72億ドル(約5800億円)を占めた。現代重工業、大宇造船海洋でも64%、47%をそれぞれ占めた。
しかし、華麗な受注実績は内実を伴わないとの指摘もある。造船業界によると、FPSOやドリルシップに使われる機材・資材の国産化率は20%にすぎない。分野別に見ると、掘削装置などの機械装置が15-20%、配管材が15-20%、電気装置が25-45%、爆発防止安全装置が5%など、国産化率は非常に低い。このような機材・資材は、ドリルシップやFPSOの建造原価の50-60%を占める。業界関係者は「船体は韓国の造船所で建造するが、収入は海外の資材メーカーに持っていかれる構造になっている」と指摘した。
一般船舶の分野で韓国の造船業界が誇る設計能力も、海洋プラント市場では通用しない。海洋プラントの設計は、米F&G、日本の三井海洋開発、ノルウェーのアケル、イタリアのサイペムなどがリードしている。業界では外国企業に支払う機材代金と設計費用を考えると、1兆ウォン(約740億円)のFPSO1隻を受注しても、受注代金の半分以上が外国企業の懐に入るとみている。
■機材の国産化を急げ
海洋プラントの国産化率が低い原因として、高い参入障壁が挙げられる。数百年の伝統を持つエクソンモービル、シェルなどのオイルメジャーは、これまで密接な関係を築いてきた北欧、米国メーカーの機材を好む。韓国造船大手の役員は「海洋プラントを発注するオイルメジャーは、発注段階から掘削機器は北欧のA社、設計はテキサスのB社と指定してくるため、韓国製の機材を使いたくても使えない状況だ」と説明した。
一方で、中国のような新興造船大国は、海洋プラントに関して、自国で発注する掘削設備に国産機材の使用を義務付けている。ブラジルも最近、中国のように「自国建造主義」の原則を立て、海洋プラントのプロジェクト推進時に、雇用の90%を自国民、機材の60%を国産とすることを義務化した。
自国で納入実績を積んだ中国、ブラジルの機材メーカーは、それを足掛かりに世界市場進出のチャンスをつかむことができる。
これに対し、韓国の海洋プラント機材メーカーは、納入の機会すらつかめないことが多い。慶尚南道統営市の機材メーカー関係者は「韓国政府が石油掘削設備を発注するケースはまれなため、海洋プラント分野の技術を蓄積する機会がなかなか得られない」と実情を語った。
業界からは、海洋プラントの国産化率を向上させるためには、現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋など大手造船会社の役割が重要との指摘が聞かれる。大手造船会社は、設計分野から徐々に国産化率を引き上げていると説明する。現代重工業の関係者は「ドリルシップ、FPSOの基本設計は外国企業が行うケースが多いが、実際の生産に必要な細部の設計は韓国側で行っている」と語った。
弘益大のチョ・ギュナム教授(造船海洋工学)は「海洋プラントの受注代金の半分以上が海外に流出している状況で、機材の国産化率を高めることができなければ、『自国建造主義』を強化する中国、ブラジルなどに10年以内に追い越される可能性がある。大手造船会社は当面の受注規模にこだわらず、下請け企業とともに重要機材の開発に取り組むべきだ」と訴えた。
扈景業(ホ・ギョンオプ)記者
朝鮮日報 2011/06/25
http://www.chosunonline.com/news/20110625000036
無理だから諦めろw
