7月3日(ブルームバーグ):米ボーイングと全日本空輸が共同開発した次世代中型旅客機ボーイング787が3日朝、羽田空港に飛来した。
開発トラブルが相次ぎ約3年遅れで最終的なテスト飛行にまでこぎつけた。
燃油高騰や環境問題などへの対策が世界的に急がれるなか、革新的な性能を有した次世代型航空機の完成に向けた最後の確認作業が始まる。
同機がアジアの空を飛ぶのは初めて。全日空は同機の最初の顧客「ローンチカスタマー」。
全日空の大量発注でボーイングは開発に踏み切ることを決めた経緯がある。
今回飛来する飛行機は全日空塗装でロールスロイス製のエンジンを搭載した機種となる。
今回の検証プログラムはボーイングと全日空が共同で実施する。羽田での式典後、5日から伊丹空港や関西国際空港、中部国際空港など国内空港間を実際に飛行する。
各地で給油作業、格納庫内のスタンドやゲートとの整合性の確認などを行う計画。
「操縦しやすい」-着陸の全日空機長が会見
ボーイング787は3日午前6時21分に羽田空港の滑走路に着陸。
着陸時に操縦かんを握った全日空の石井正之機長は空港内で記者会見し、「ハンドリングはボーイング777と同じようなフィーリング、さらにエレクトロニクス面の進化で安全面に注力できる操縦しやすい飛行機だ」と言及。
同乗した全日空の塚本真己機長は「少ない燃料搭載だったが、非常に燃費の良い航空機だと実感した」と語った。
この日は数百人の航空ファンが羽田空港に駆けつけ、ボーイング787の到着を見守った。
都内の中学生、三宅将太郎君(13)は「写真で見ていたより実物の翼が長く、格好良くてびっくりした」と話し、「エコ性能も高いと聞いていて、今の時流にぴったりの飛行機。早く実際に乗ってみたい」と語った。
埼玉県在住の田辺元洋さん(55)は「機体の形が従来のものより洗練されており、新世代を担う飛行機としてふさわしい姿だ。ぜひ一度は乗ってみたい」と述べた。
横浜から友人と朝5時に家を出た会社員の鍋島孝さん(35)は、「今までにない新しいスタイルに感動。他の航空会社もどんどんこの機を採用してほしい。機内乾燥を防ぐ最新の加湿機能にも期待したい」と話した。
ボーイング787は、今回の検証が予定通りに終われば、8月から9月にかけて初号機が全日空に納品される見通し。
全日空は2011年度に14機、12年度には10機導入する。既に計55機を発注済み。
全日空は、中型機の多頻度運航で、アジア地域の高い成長を取り込むほか、需要の高い路線に就航させ収益増の切り札として活用し先行者メリットを確保する計画。
同社の伊東信一郎社長は、当初は国内で運用し、年度内には国際線にも投入する方針を表明済み。
日本メーカーを元気にする機体
ボーイング787は、東レが供給する炭素繊維素材を機体に約5割活用することで軽量化が可能となり、
燃費効率が同タイプの飛行機と比べ2割ほど高く、大型ジェット旅客機並みの航続距離を実現した。
同時に機内が静かなうえ、二酸化炭素の排出を大幅に削減できるのが特徴。
製造には三菱重工業や富士重工業、川崎重工業などを中心に多くの日本のメーカーが協力している。
B787の機体構造シェアは日本勢が約35%を占めている。
エンジンの開発メーカーは、ロールスロイス社とゼネラル・エレクトリック社が選定されている。
同機は、全日空のほか日本航空やコンチネンタル航空、エア・インディアなど多くの航空会社が発注している。
ボーイングのホームページによると、B787の受注状況は、5月末時点で835機となっている。
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