フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(尾崎賢治訳) 『日本・第五巻』雄松堂出版, 1978.
フランツ・フォン・シーボルト (Philipp Franz Jonkheer Balthasar von Siebold, 1796~1866) はドイツの医学者・博物学者・日本学者
大著『日本』の第11編(雄松堂版の第五巻)は、朝鮮に関する記述に当てられている。
朝鮮人の態度はまじめで落ち着いており、ときには快活で、あけっぴろげである。歩き方はしっかりしていると同時に機敏である。
しかし精神的教養と生活の洗練という点では、朝鮮人は同じ階層の日本人よりかなり劣る。
また我々が一番低い階層の日本人を見ても感心する共同生活におけるあの巧みさや高いレベルの暮らし方も、朝鮮人にはない。彼らは正直、忠実で、人がよいということであるが、彼らを清潔、親切だとして褒める気はあまりしない。
彼らは健啖で、アルコール類に目がなく、日本人よりはるかにアジア的なのんびり傾向が強いようである。 (pp. 4-5)
朝鮮の工業技術は隣国の中国や日本と比べてずっと遅れているように思う。木工は断然といってよいほど遅れており、陶磁器の作りはひどく粗末である。鉄器、特に刀その他の刃物は価値が低い。
しかし、その他では非常に美しい光沢の絹物、繊細な馬毛の編みもの、もちのよい綿布、すぐれた紙および蝋紙がある。 (p. 38)