民主慎重派に亀裂 山田氏に批判の矛先
2011.11.15 23:54 (1/2ページ)環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐり野田佳彦首相の「交渉参加表明」阻止で結束してきた民主党慎重派に、亀裂が表面化した。15日に開 かれた「TPPを慎重に考える会」役員会では、首相の発言を「参加表明ではない」と主張する山田正彦会長(元農水相)らに対し、若手を中心に「事実上の参 加表明だ」との反論が噴出した。首相の「二枚舌」発言がもたらしたとはいえ、同床異夢だった慎重派の限界が露呈した形だ。
「われわれは『慎重に考える会』というよりも、『断固反対』でいく」
山田氏は15日夕、都内で開かれた民主党若手議員のパーティーで、TPP交渉参加反対を強調した。
山田氏があえて「断固反対」を口にしたのは、午後に開かれた役員会が「今はバラバラ」(若手)というほどの惨状だったためだ。
役員会では、首相が「交渉参加に向け関係国と協議に入る」との表現を使っていることに、山田氏が「参加の結論を先送りした」との解釈を重ねて強調した。と ころが一部議員は、山田氏に「抗議すべきだった」と不満をぶちまけた。「国民から見ればどうみても『交渉開始』だ」(斎藤恭紀衆院議員)というのだ。
両者の亀裂は、解釈の違いというだけでは片付けられない事情もある。
山田氏らは11日の首相記者会見の直前、輿石東幹事長側から首相が「譲歩」したとの連絡を受けた。首相は輿石氏、鹿野道彦農水相と会談した結果、 「交渉参加」ではなく「事前協議」と表明することを決めたという説明だ。山田氏としては輿石氏の尽力を受け入れて党の混乱を抑えようと判断したが、一部若 手らは「できレースに乗ってしまった」とみた。
また、山田氏はもともと市場開放には肯定的な立場で、多国間で交渉するTPPよりも二国間で行う自由貿易協定(FTA)などが望ましいとしてきた。TPPは「米国従属路線」と反発する議員らとはおのずと路線が異なる。
しかし山田氏は、解釈の修正を迫られている。米側から出た日米首脳会談での首相発言を踏まえ、「『事前協議』よりも一歩踏み出してはいる」として、近く政 府に抗議文を提出する考えだ。また、考える会として12月に訪米し、情報収集に努めるとともに、交渉参加阻止への活動を継続していくというが、慎重派の結 束が続くかは不透明だ。
。(酒井充、坂本一之)