2012年01月15日11時05分
提供:朝鮮日報
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世界的な大都市となったソウルでは、一日平均650万人の市民が地下鉄を利用している。地下鉄は最も代表的な「市民の足」として必要不可欠な交通手段だが、先日は、駅で降りられなかったという乗客の抗議により逆走するといった事態まで発生した。本紙記者はこのほど、地下鉄の運転室に同乗し、地下鉄運行の現況について取材した。
先月20日午後6時38分、地下鉄2号線の市庁駅に入ってきた2352号車の運転室に乗り込んだ。ノ・ボンギュ運転士(47)は、運転室の前方に備え付けられた横60センチ、縦30センチのモニターを見ながら、プラットホームに設置されたスクリーンドア(プラットホームの線路に面する部分に設置された、可動式の開口部を持った仕切り。ホームからの転落や列車との接触事故を防止するために設置された自動ドア)がきちんと開いているかを確認する作業に余念がない。ノ運転士はホームにある40カ所のスクリーンドアが開閉する様子を毎回確認しながら「ドアが開きます」「乗下車確認」「引き続き進行」という言葉を復唱した。これは「指差し確認」と呼ばれるもので、乗客が乗り降りする際のトラブルを防ぐために義務付けられている。
「後続列車との間隔が開き過ぎているため徐行せよ」。午後6時45分、乙支路3街駅に到着すると、中央官制センターから緊急の無線連絡が入った。ノ運転士は電車の速度を時速70キロから40キロに落とした。同運転士は「後続列車は時速80キロで走行するよう命じられているはずだ。通勤・退勤時間は混雑するため、列車の運行に支障を来たす」と話した。10両編成の2352号車には、通常600人ほどが乗車するが、同日は蚕室駅から舍堂駅の区間で乗車人数が2500人を超えた。500人が乗り降りした宣陵駅では電車が左右に揺れるほどだった。
蚕室鉄橋を通過して蚕室駅に入ると、列の最後尾が見えないほど多くの乗客がホームで待っていた。ノ運転士は「年末である上、退勤時間なので、蚕室駅から舍堂駅までの運行はまさに戦争」と話した。混雑した車内では、足の置き場がないため、あちこちで不平を口にする声が聞こえた。
「おい、てめえ。ドアを開けろ!」午後7時27分、教大駅で中年女性が運転室に向かって罵声を浴びせた。案内放送をしてからドアを閉めたものの、乗客が多過ぎて乗車できず、これに腹を立てたのだ。ノ運転士は「中には電車に乗れなかったと言って運転室につばを吐き掛ける乗客もいる」と話した。同日は「駅への逆戻り」を促す非常電話は掛かってこなかった。だが、ノ運転士の脳裏には、以前酒に酔った乗客に「お前は一体どこにいるんだ?顔を見せろ」と、非常電話を通じて怒鳴られた記憶が鮮明に焼き付いていた。泥酔した客は運転室までやって来て、ドアをたたきながら大声を張り上げたという。
運行状況を点検し、乗客の抗議まで聞かなければならない運転室は、2.68平方メートルほどのスペースだ。両手で操作する加速・制動装置と、速度などを表示する計器盤、管制センターや車掌室と連絡をやり取りする無線通信機器などが所狭しと並んでいる。操縦席に座ると計器盤に膝が当たるくらい狭い。地下鉄の運行で重要なのは、電車を正しい位置に停車することだ。ソウルメトロのパク・ウボム車掌は「ドアの開閉ポイントが60センチ以上ずれると、スクリーンドアが開かない。その場合は列車を後退させ、停車位置を合わせることになる」と話した。
1993年にソウルメトロに入社したノ運転士は10年にわたって車掌を務め、2003年に運転士になった。これまでノ運転士が運行した距離は18万8044キロで、これは2号線を3853周したのと同じ計算になる。運転士は電車の前方で制動と加速などの運行を務め、車掌は最後部で案内放送やドアの開閉確認を担当する。1?4号線は手動運転のため運転士と車掌が共に配置されるが、5?8号線は自動運転のため運転士が1人で乗務する。
始発電車を運行する運転士は、午前4時30分ごろから勤務をスタートする。運転士は乗務事業所に出勤し、10分間の出務検査を受けなければならない。パク・ウボム車掌は「運転士の体調がすぐれなかったり、多少の異常が見られた場合は、すぐその場で交代させられる」と話した。運転士にとって乗務中の生理現象は禁物だ。従って乗務の1時間前は水を飲んではならない。さらに、運転士は暗いトンネルの中でも速度や信号表示を確認しなければならず(視力0.8以上)、騒音の中でも管制センターの指示を聞き分けなければならないため(聴力40デシベル以上)、厳格な身体検査もパスしなければならない。トンネル内が暗いからといって言い訳にはならない。数千人の乗客を乗せて2分30秒ごとに駅に停車するため、全神経を集中しなければならないのだ。
この日、市庁駅まで一回りし、聖水駅で任務を終えたノ運転士は「数百、数千人の乗客の安全に責任を持たなければならないため、地下鉄の運転士は地下室のパイロットと呼ばれる」と言って、笑みを浮かべた。
http://news.livedoor.com/article/detail/6192265/
大変だねー ^^