JR東系が現地でコンサル契約
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7T6H56S972H01.html
ブルームバーグ 2012.7.30
7月30日(ブルームバーグ):日本の鉄道関 連企業がアジアの高速鉄道計画4案件の受注を将来獲得する可能性が出てきた。鉄道輸出に向けてJR東日本主導で設立された日本コンサルタンツが、発注側の 各国政府などと交通システム計画のコンサルタント契約を結んで準備を進めているため。
日本コンサルの田中正典社長は27日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、高速鉄道計画について「インド、インドネシア、ベトナムの3カ国4案件で実現可能性を検証、調査する作業に入っている」と明らかにした。
この高速鉄道4案件は、インドのハイデラバード-チェンナイ間、チェンナイ-バンガロール-エルナクラム間の計画やインドネシアのジャカルタ-バンドン間、ベトナムの南北縦断計画。
田中社長は、同案件を含めて「発注者に寄り添う形で世界各国の鉄道計画の国際的なコンサル業務を計18件契約している」と語った。ただ同時に、これらの計画のうち、実際に計画が実行段階に移行するのは4、5件程度との見通しを示した。
同社長は「必ずしも日本の車両や通信、信号などの分野の鉄道関係企業がすべての高速鉄道案件を受注できるかどうかは分からない」と述べた。ただ、「日本製 品が入りやすくなることは確か」と説明し、大枠では3カ国の案件について、日本の鉄道事業者が受注する可能性が高いとした。
また、それぞれの計画の受注額などは、どの計画でも固まってはいないとしたが、1案件で数千億円規模になるとの見通しを示した。インドのチェンナイ-エルナクラム間については例外とし、現在調査中のため想定上の数字として建設費は2兆円から3兆円規模になる可能性があるとしている。
政府が推進する海外へのインフラ輸出では高速鉄道は最重要事業の一つで、官民が連携して鉄道産業の競争力強化を図っている。これまでも鉄道関連は売り込みには首相はじめ閣僚がトップセールスを行ってきたほか、資金調達面では国際協力銀行の機能を積極的に活用、さらには政府開発援助の予算拡大のほか、日本貿易保険の役割も拡充している。
日立の契約成立が機運盛り上げる

日立製作所は25日、英運輸省から約600両の車両製造や保守、リース事業を5500億円規模で受注したと発表。高速鉄道分野の官民共同プロジェクトの1号案件として長期間の交渉の末に受注契約にこぎつけた。
田中社長は、日立の受注について全体の鉄道輸出の機運を盛り上げるものとした。日本の鉄道は高い安全性をベースに、時間の正確性や快適性に優れており、新幹線のような大規模システムだけでなく、都市鉄道をはじめとする在来幹線などのシステムを有しているという。
日本の鉄道事業者はこれまで、システム関連のメーカーと共同して開発を行ってきている。同社長は今後、独シーメンス、仏アルストムなどの欧州メーカーとの競争の中で各国の経済状況や交通状況など様々な事情に最も適するシステムを提案することが可能だとしている。
同社はJR東が53%、JR西日本と東京メトロがそれぞれ20%、その他をJR九州やJR貨物、東急電鉄、京阪電鉄など計10社が出資。海外鉄道プロジェクトに関する調査やコンサルティングなどを専門に行うため、海外鉄道技術協力協会の事業を引き継ぐ形で2011年11月に設立された。準備作業を経て今年の春から本格的な営業を開始している。