183センチの大きな体は、紅白戦の中でも目立った。DF酒井宏は背筋をピンと伸ばしたきれいな姿勢で右サイドを上下動し、高速の右クロスを供給した。バーレーン戦でフル出場し、約15時間をかけて帰国。時差は6時間あるが「疲れとかあんまり感じないですね」。余裕の笑みを浮かべていた。
長いボールを多用して、セーフティーに戦ったバーレーン戦では、攻撃参加の機会は多くなかった。だが、守備では自分のサイドを完封し、ハイボールもはね返し続けた。高速クロスは最大の武器だが、攻守にわたるレベルの高さを証明した一戦でもあった。実はこの試合はブラジル国内でも中継された。サントス関係者は、「クラブがサカイに興味があるのは事実。スピード、パワー、テクニックを併せ持っている優秀なタレントだ。所属クラブ(柏)との話し合いがつけば、来年早々にも来てほしい」とラブコールを送った。
ペドロ・ルイス・コネセイソ強化部長はすでに来日して柏の試合を視察したことを認めた上で、「興味を引く選手が複数いた。まだ個人名を明かせる段階ではない」と慎重なコメント。ただ、サントスで右サイドバックのレギュラーのダニーロは、クラブW杯後にポルトガル1部ポルトへ移籍することが決定。後任を探している状態だ。
地元紙のサントス担当記者も「控え選手は少し力が落ちることから、ポジションがぽっかりあく。酒井については、昨日、五輪予選をテレビでじっくり見たが、非常にいい選手だ。もしサントスに入団したら、レギュラーを取る可能性は十分にある」熱っぽく語る。
南米王者の中でわき上がる待望論。シリア戦もブラジルで中継される見込みだが、「気合入りますね。でも、今は代表でしっかり結果を残したい」と酒井宏。すべてをモチベーションにして、眼前の敵に襲いかかる。