中田英寿
NAKATAは俺よりずっよ年下の坊やだったが、尊敬している男だ。
まず一言で、サッカーに対するイメージを劇的に変えてくれた。
NAKATAを初めて見た時、わざと倒れたりしない、大袈裟な動作をしない。
それだけでも、ふっと感動した。
それまではサッカーというスポーツを軽蔑していた。鶏の喧嘩のような情けないスポーツと思っていた。
KAZUなんかは大嫌いだった。くだらないパフォーマンス、弱虫が何やってるんだと。
NAKATAは日本サッカーの開拓者だ。
サッカーだけでなく人間性が素晴らしい。
高校時代に大事な試合に負けたとき、NAKATAだけは泣かずに、泣き崩れる仲間たちを
一人一人、抱き起していた。
平塚ベルマーレ時代はは【ロンリーウルフ】(孤独な狼)と呼ばれていたな。
ホン・ミョンボとチームメイトだった。
当時の日本では突出した天才的なサッカー選手だった。
世界のレベルでは天才的な選手とまでは言えないだろう。それは認める。
この男の真骨頂は、何物にも屈しない、背筋を伸ばした男であることだ。
日本中のメディア(言論)の誤解を受け敵に回しても
長期間に渡って右翼団体に脅されても絶対に屈服しなかった。
NAKATAは男の中の男だ。
1997年のワールドカップ最終予選から、ペルージャ、ローマ
NAKATAらしく風のように吹き抜けて行った。
俺は野球人だが、種目の垣根を超えて、心より魅力的な誇り高いスポーツ選手だと思う。
NAKATAは20歳の時から、サッカーだけの人間にはなりたくはないと言っていた。
そのとおりの人生を歩んでいる。
サッカー選手で人間として心より尊敬する選手は過去から現在まで、NAKATA唯一人だ。