韓国短距離陸上の「希望」キム・グクヨン(26)=光州広域市庁=が今年4月、写真共有ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「インスタグラム」に書き込んだ言葉だ。「韓国陸上界の自尊心」と言われるにふさわしい覇気が伝わってくる。キム・グクヨンはこの言葉通り、韓国人にとっては不可能と思われた目標に向かってひた走っている。
キム・グクヨンは27日に行われた「2017コリア・オープン国際陸上大会」(江原道旌善郡)男子100メートル決勝で10秒07を出して優勝、韓国記録を更新した。わずか2日前に自身にとって4回目の韓国記録(10秒13)を作ったが、この日の試合ではさらに爆発的なスピードで0.06秒縮めた。25日から27日までの3日間で記録を0.09秒も縮めたのだ。キム・グクヨンは今年8月にロンドンで開催される世界陸上競技選手権大会の出場基準記録(10秒12)も通過した。レースを終えたキム・グクヨンは大声を上げ、歓喜する観客に向かってひざまずいて頭を下げた。そして顔をしかめながらトラックを回ると、初めて明るい笑顔を見せた。
陸上では追い風が秒速2メートル以上の場合、公式記録として認められない。この日の決勝では追い風が秒速0.8メートルだった。一般的に、秒速1メートルあたり0.05秒の記録短縮効果があると言われているため、キム・グクヨンはこの日、限界風速の範囲内で10秒01まで走ることが可能だという計算になる。韓国人がこれまで考えもしなかった「夢の9秒台」も目前となったのだ。陸上の専門家らは「キム・グクヨンの勢いは目を見張るものがある。欠点をあと少し解消できれば9秒台も夢ではない」と話す。
キム・グクヨンは新記録を出した後、「きょうの目標は9秒台だったが、スタート時の反応がやや遅かった。来年インドネシアのジャカルタで行われるアジア大会までには必ず9秒台を出したい」と語った。
1979年にソ・マルグが10秒34を出して以降、韓国記録は31年間も破られなかった。キム・グクヨンは2010年にこの記録を破り、韓国短距離界の星になった。これまで1人で5回も韓国記録を更新し、10秒07までやってきた。そして今、「夢の9秒台」を残すばかりとなった。男子100メートルのアジア記録はナイジェリア出身でカタール国籍を取得したフェミ・オグノデ(9秒91)が持っているが、アジア出身者の中では中国の蘇炳添(9秒99)が最も速い。日本も1998年に伊東浩司が出した10秒00以降、記録が破られていない。
「大韓民国をもっと速くする男」キム・グクヨンは「多くの大会で十分経験を積んできた。もう『経験する』だけでは満足できない。次は何かひとつやり遂げたい」と言った。