韓国GM群山工場閉鎖、文大統領は背水の陣
韓国政府は、韓国GMの群山工場閉鎖を宣言した米国ゼネラルモーターズ(GM)には引っ張り回されない、という立場だ。群山地域の雇用への打撃に関して前もって対策を整備し、地域の民心を鎮める一方、GMに対する交渉力を引き上げて最大限の譲歩を引き出したいという計算をしているものとみられる。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は19日、大統領府で開かれた首席補佐官会議で「GMの群山工場閉鎖決定で、地域経済に大きな打撃が予想される。汎(はん)政府レベルで群山経済活性化のタスクフォース(TF=作業部会)を立ち上げ、群山経済活性化のため特段の対策を整備してもらいたい」と発言した。
文大統領が公式の席で韓国GMの問題に言及したのは、今回が初めて。韓国GMに対する現地調査と経営正常化案交渉が進んでいる状況でのこうした発言は、無理な要求は聞き入れない、と一線を引いたものだと解釈できる。GM側は、韓国GMの経営正常化のため産業銀行を通した資金支援および韓国政府の税制上の支援を要求している。大統領府の関係者は「GMの要求に無条件に応じることはせず、原則に基づいて対応しつつ、地域経済が被る損害を最小限に抑える対策も準備したいという意味」と語った。韓国政府の関係者も「企業の構造調整は、全ての関係者の犠牲を必要とする。どちらかの一方的な譲歩はあり得ない」と語った。
交渉が決裂した場合に備えて、韓国政府は災難地域の指定などを検討している。文大統領は19日の会議で「産業危機対応特別地域や雇用危機地域の指定など、制度的に可能な対策があれば積極的に検討し、失業者対策のためには応急対策まで併せて考慮してほしい」と指示した。「産業危機対応特別地域」に指定されると、企業は金融・税制面での支援や、新規需要創出および事業多角化支援を受けることができ、失業者の雇用維持および再就職支援も行われる。「雇用危機地域」に指定されると、労働者の雇用安定および失業者の生活安定などの支援を受けることができる。