淡水資源の逼迫も穀物生産の大きな足かせになります。
今日、世界の40%の穀物は全耕地の17%しかない灌漑農地で生産されています。
灌漑農地の拡大は 20世紀の穀物の生産拡大を支えてきました。
しかし、灌漑面積の急拡大は20世紀ともに過去のものになりつつあります。
ほとんどの地域では灌漑に適した優良な農地は残っていませんし、新しい農地に灌漑用水を引くコストはますます高くなっているからです。
既存の灌漑システムの60%は建設から50年も経っていないにもかかわらず、その多くは生産性の維持が困難な状況になってきています。
古代メソポタミア文明の崩壊を招いた灌漑による塩類の集積は、世界の灌漑農地の1/5に影響を与えています。
多くの地域では灌漑のための取水が大きいため、河川が一年のうち一定期間干上がってしまい、下流の都市や産業に振り当てられなくなっています。
中央アジアの2大河川に涵養されていたアラル海、かつては世界で4番目の面積をもち漁業資源の宝庫であった巨大な淡水湖は流入水量が激減したため地図上から消えつつあります。
水環境の破壊は周辺地域の自然環境と人間社会を再起不能なまでに破壊しました。
人間活動による河川水の汚染も深刻です。
外部流出した食品薬品監督管理局の内部資料によると中国では「産業廃棄物による深刻な汚染は中国全土の河川と湖の6割に及び、残りの河川もまだ軽度ながら汚染が進んでいる。
農産物に影響のある全潅漑用水の2割が規制基準を大幅に上回る水銀に汚染されている。
全疾病の8割、病死の3分の1は水質汚染が関係したとみられる。
2004年以降、幼児の頭が巨大化する奇病が汚染地域で次々に確認されている」と報告されています。