新型宇宙ステーション補給機(HTV―X)を打ち上げたH3ロケット7号機は、液体燃料エンジン(LE―9)2基、固体ロケットブースター(SRB―3)4基の「24形態」で、日本の宇宙開発史上打ち上げ能力最大のロケットだ。
H3は液体エンジンやSRB―3の数、衛星カバー(フェアリング)の形状を衛星の大きさや投入軌道に応じて選択することで、価格面を含め、幅広い需要のカバーを目指している。
これまでの1~5号機は基本形と言えるLE―9、SRB―3とも2基ずつの「22形態」で運用。地球観測衛星などを打ち上げてきた。
現在準備中の6号機では、SRB―3を使わず、3基のLE―9のみで打ち上げる「30形態」を計画。開発目標に掲げる「H2Aの半額」のコストはこの形態で実現する見通しだ。
7号機が初となる最大能力の24形態は、HTV―Xのほか、来年度に計画されている火星衛星探査計画(MMX)の探査機打ち上げでも使用される予定。また、商業需要の多い静止衛星打ち上げでは最大6.5トンの大型衛星も搭載可能。近年増えている小型衛星を大量投入する「コンステレーション」への対応も視野に入れている。
H2Aロケットの打ち上げ能力を強化したH2Bも、商業受注を念頭において開発されたが、結果的には先代補給機「こうのとり」以外を打ち上げることはなかった。三菱重工業のH3開発責任者を務める志村康治さんは「H3は、24形態も他形態も機体の構造物はまったく共通。H2AとH2Bではバラバラだった」とコスト面の違いを説明。打ち上げまでの準備期間短縮などを含め、「より使っていただけるものを意図している」と強調した。

