【ロンドン五輪マラソン代表】猫さん、
代表の座から落下? まっしぐらにブ
レーキの国際陸連 芸の肥やしになる
か
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■別府大分毎日マラソンに出場した猫ひろし=2012年2月5日、大分市営陸上競技場 カンボジア国籍を取得し、同国のロンドン五輪男子マラソン代表に決まったタレント、猫ひろしさんの参加資格に対し、国際陸上競技連盟(IAAF)がカンボジア陸連などに説明を求めているという。猫さんが国籍を取得した昨年10月から代表決定に至るまで、日本国内では各方面で賛否の声が渦巻いていた。そこに降って沸いたIAAFの「待った」の声である。おそらく、正式な判断が下されるまでには多少の時間を要するだろう。ロンドンへまっしぐら、と気勢を上げていた猫さん。「なめんなよ」とばかりに正々堂々と五輪出場を果たすのか、それともドーバー海峡あたりで急失速して落下? となるのか。まだまだ予断を許さない。
市民ランナーの猫さんが自己ベスト2時間30分26秒をマークしていること自体は賞賛に値する。並大抵の努力ではなかったろう。でも、だからといっていきなり「五輪出場」というのはあまりにも突飛な発想だったといわざるを得ない。猫さんのタイムから20分、10分いや1秒を縮めていくことが本当に困難な道のりなのであり、一流のアスリートたちは「その1秒」の壁を越えるためにあらゆることを犠牲にして練習に励む。そして、紙一重で選ばれた選手が「五輪出場は夢でした」と素直な言葉を口にし、敗者は第一線を退いていくのである。これはマラソンに限ったことではなく、あらゆる競技に共通しているはずだ。
そこから考えれば参加標準記録がAで2時間15分0秒、Bで2時間18分0秒の男子マラソンにあって猫さんの成績が論外なのは明白だ。本人に聞いたわけではないが、標準記録の存在やタイムをクリアするのが難しいことも分かっていたに違いない。だからこそカンボジア国籍取得という「裏技」を選択したのだろうし、そんな経緯を推測した日本国内の世論の一部もかみついたのだと思う。筆者は当初、それらのことを承知の上でカンボジア五輪委員会や同陸連が代表に決定したわけだから他国民がとやかく言う権利はないと考えていたが、その後の猫さんの対応には少なからず落胆もしていた。
代表に選ばれたことを契機に公用語とされるクメール語を真剣に学習するとか、日本との架け橋になる役目を担う、といったような積極的な発言を期待していたのだが、カンボジアに住むつもりはないらしいし、「アスリートとしてではなく芸人として走る」と公言するなど、明らかに五輪出場を知名度アップの宣伝材料としているような言動が目立つのである。踏み台にされたことを知れば、おそらくカンボジア国民の多くは不快感を示し、猫さんを応援することはないだろう。15日に開催されるパリ・マラソン(パリ)にはカンボジアのエースといわれるヘム・ブンティン選手が出場予定で、参加標準B記録の更新を目標に掲げているそうだ。もしクリアすれば、猫さんはさらに窮地に追い込まれる可能性がある。
いずれにせよ、猫さんが一連の貴重な経験を芸の肥やしにしてくれることを祈らずにはいられない