
禿山だ

ここも
朝鮮に訪れた日本人が記録したもの
草木について
京城近傍の草木は寒地であることもあって、別に珍しいものが無かった。
檜、杉、梅が無く、竹や棕櫚も無い。しかし柏、合歓の木が所々に野生する。
また各所に多く松を見る。この国では松が多いと見えて松の実を食用によく用いる。背が低くて横に曲がったものが多い。直立して天を指して伸びたのは稀である。
朝鮮の南部ではほとんど松は見ないが、釜山草梁公館には元禄時代の頃に松を植林したので鬱蒼と繁って風濤洋海を航するが如し。
釜山、江華府、京城、それぞれの山が草木が繁るのに不適のようである。禿山が多く、遠望すれば黄赤色が斑々としてその観は美ならず。
家屋の建築には松材以外に無い。
草木が少ないということは、それを愛玩して植える人もないということである。
京城に花戸というものがない。人が植えた花木というものが無い。
柑橘類の木はいよいよ無い。蜜柑を朝鮮では殊更に珍なるものとし、毎年冬至の祭りに日本から求めて国王自らこれを食するのが例典という。ゆえに、
これを尊重し、かつて黒田全権大臣が朝鮮に来たときに冬であったから大量の蜜柑を持っていったが、朝鮮側もこれを殊のほか嘉賞したり。
修信使が東京に来たときにはじめて枇杷の実を食したが、これを甚だ賞した。
修信使らは日本のことを賞するのに、「建築が盛んであり、草木が多い」と言う。これによっても朝鮮には草木が少ないことを知るべし。
桜は釜山にある。対馬の人が植えたものなれば、朝鮮固有のものではない。京城近村で一本あったのを見たことがあると人の語るのを聞いた。しかし、開花の時でないから確認はできない。
こんな奴らが 桜の何が分かるんだ?