WHO韓国事務所閉鎖、支援を受ける側から与える側へ
かつては国民の80%が回虫を持っていた韓国
1963年、全羅北道全州のイエス病院に、9歳の女児が激しい腹痛を訴えて運び込まれた。女児の腹の中をレントゲンで調べてみると、腸閉塞(へいそく)が確認された。回虫の固まりが女児の腸をふさいでいたのだ。当時、韓国では国民の80%が回虫持ちだったといわれる。世界保健機関(WHO)は寄生虫撲滅のため、1960年代初めに韓国に23万ドル(現在のレートで約1800万円)を支援。韓国政府は毎年、全国の児童・生徒を対象に検便を実施し、駆虫薬を配布した。
WHO韓国事務所が設立から47年で閉鎖されることになった。これは韓国がWHOの支援を受ける国から、支援を与える側になったことを意味する。
韓国経済が急速に発展し、OECD(経済協力開発機構)に加盟したのに伴い、WHOは1999年に駐韓代表部を連絡事務所に格下げし、2004年には外国人連絡官を撤収させた。その後、保健福祉部(省に相当)の中にWHO西太平洋地域事務所を設置し、派遣職員1人が勤務してきたが、今月末で完全に閉鎖されることになった。
1965年にWHO駐韓代表部が設立されて以降、WHOは韓国の保健・医療分野の発展に大きく貢献した。1960年代から80年代までは保健医療の専門家を派遣し、伝染病予防のための資金を支援。これは当時3大亡国病といわれた「結核」「ハンセン病」「寄生虫」の撲滅に大きな役割を果たした。