SAMSUNGしか誇るものがない韓国人
戦後、NIESだけでなく中国も、日本から資材を輸入し、加工生産して輸出するという生産構造をとっている。その構造は、ここ半世紀、それほど変化していない。
韓国の経済の歴史および財政の歴史を見ると、李朝末期の社会構造は7万以上の村によって構成された村・社会であり、紙幣経済も商品経済も発達しておらず、減資経済社会そのものだった。すでに経済破綻、国家破産の王朝だったのだ。地上資源も、地下資源もほとんど枯渇していた。
救われたのは、日朝合邦があったからである。毎年、日本から総督府総予算の15から20%の財政支援を受けて、社会の土台がつくられていった。債務国としての財政、資本事情は、この1世紀にわたってほとんど変わっていない。
1997年のアジア通貨危機ではIMF(国家通貨基金)の管理下に入った。そこで財閥の整理が行われ「SAMSUNG」や「Hyundai」などが寡占企業として生き残り、巨大化した。こうした寡占と巨大化は、官民癒着なしにはできない。なかば国策として、SAMSUNGなどの企業の巨大化を進めたのだ。現在の韓国政府によるウォン安政策などは、SAMSUNGをはじめとするグローバル化した輸出産業を助けるためのものにほかならない。

こうした寡占企業の成長は、社員の安い給料によって支えられている。しかも、韓国では社員の賃金が下がり続けているため、社長と社員の年収格差は5,000倍以上にもなっている。そして、これらの大企業の資本金は外資が50%以上を占めている。金融機関にいたっては、100%近い銀行もある。こうなると、「韓国企業」とすら呼べないだろう。
外資依存は、かつての中国もそうだった。輸出産業の60%が外資企業だった。中国の企業と同様に、韓国企業も独自の技術開発というより、たいていPAKURIや不正な取引が一般的である。
たとえば、2010年、アメリカに支払った「制裁金が多い企業ベストテン10」の中には、SAMSUNG、LG、大韓航空、ハイニックスなど4社が名をつらねている。
その他にも、SAMSUNGは2011年4月に、アップルからスマートフォンについての特許侵害で訴えられた。SAMSUNGは逆提訴して、混戦に持ち込んで若いにこぎつけようとしたが、PAKURI企業としてのイメージを洗い流そうとしても難しい。

中華世界の数字は「参考数字」として見なされることが多い。ウソが多いからだ。いくら政府が「虚偽の数字は厳罰」と警告しても、バレないように巧妙化させている。もちろん、小中華も例外ではない。粉飾決済、脱税、不正をしないで企業が生きていくのは、じつにむずかしい。
アジア通貨危機の煽りで1999年に倒産した「大宇」の金宇中元会長は、2006年に粉飾決済により約2兆5,700億円を追徴された。
中国の大富豪ランキングに登場する人物名は年々様変わりする。同じ富豪が長くランクインできない理由は、たいてい不正で摘発されるからだ。韓国の財閥も不正のオンパレードである事は、すでに常識となっている。SAMSUNGでさえ粉飾決算が指摘され、さらにその悪質な手口については、元社員によって暴露されている(『SAMSUNGの事実』バジリコ)。
SAMSUNGは韓国の株式市場時価総額の4分の1を閉める大企業グループである。韓国の企業だけでなく、政治、文化のグローバル化を象徴する申し子でもある。だが、それだけに市場環境が変われば、存在価値を失ってしまう危険性が高い。
韓国には、日本のように100年以上続いている老舗はない。日本の産業は、たいてい長い歴史の波風を経て磨き上げられてきた。韓国では「成金」は「天才」として称賛されたり、敬慕されたりするが、日本ではむしろ嫌われる。「政商」についても同様である。韓国の企業は「値段」で勝負するが、日本は「質」で信頼を得る。
国によってそれぞれ文化や風土が異なる。日本経済は市場原理が機能しているが、大中華も小中華も、汚職や癒着などの経済的な方法で財を成すケースがほとんどだ。日本にはそういう土壌は存在していない。
黄文雄(コウ・ブンユウ/Huáng Wénxióng)
出生 :1938年
出身地 :高雄州岡山郡
(現 :中華民国高雄市岡山区
職業 :評論家・経済史研究家