2006年の記事
スクリーンクオーター制度
歴代観客動員記録を更新する映画が、続々と誕生している韓国映画界。最近でも「王の男」が大ヒットし、社会現象までになるほど。ハリウッド映画全盛の日本から見れば、韓国の映画産業の発展はうらやましい限り。しかし、今年に入り、韓国がアメリカと FTA(自由貿易協定)を締結しようとしたところ、大問題が発生。アメリカ側は、韓国のスクリーンクオーター縮小を要求してきたのである。これに映画俳優たちなど、映画界は大反発。このニュースは日本でもよく報道されたので、ご存知の方も多いのでは?名前は聞いたことがあるけど、イマイチわからないという方の為に、いま韓国映画界で何が起きているのかを詳しくご説明しましょう。


<スクリーンクオータ制度施行の歴史>
1927年イギリスで初めて実施された。その後フランス、イタリアなど、ヨーロッパ一部国家と南アメリカ、アジア国家の一部がこの制度を施行。 韓国で初めて施行されたのは、1967年1月1日から。

1つは、韓国映画がここまで成長して地道に制作されているのは、スクリーンクオーターという保護があった為。そして、劇場に上映の義務があるため、韓国映画の安定した需要があり、投資にもつながるということ。確かに以前は、韓国も日本と同じく圧倒的にハリウッドなどの外国映画の占有率が高かった。
それが、スクリーンクオーター制度が実施されるようになって、次々と韓国映画が作られるようになり、質も高まって観客動員数100万人を超えるような大ヒット映画も誕生するようになった。映画館に、韓国映画を見に行くという人が増えたのはスクリーンクオーター制度の恩恵だろう。


委員長のアン・ソンギ
文化侵略阻止及びスクリーンクオーター死守、映画人対策委員会(共同委員長:チョン・ジヨン、アン・ソンギ)の公式的立場は、政府の方針を受け入れることはできないということで、スクリーンクオーター縮小撤回の為、最後まで闘うという方針を出している。
政府と映画界の衝突は避けられない状況だ。 アン・ソンギから始まり続いている映画界のリレー1人デモには、チャン・ドンゴン、チェ・ミンシク、イ・ジュンギなど、50余名が参加した。

縮小反対を主張する俳優たち(写真は青龍映画賞より)

チャン・ドンゴン

チェ・ミンシク

イ・ビョンホン

カン・へジョン

カン・ドンウォン

キム・ジョンウン

ファン・ジョンミン

チョン・ドヨン

ハ・ジウォン
スクリーンクオーター縮小反対運動に対して、一部映画関係者の集団エゴイズムだとして、意義を唱える人もいる。
韓国映画の競争力が高くなっていることにより、スクリーンクオーターを維持することによって得る実益が少なくなっている、といった意見も出ている。
また韓国音楽界は、国際舞台で成功したBOAや Rainを例に挙げて、政府の保護なしでも競争力を育て続けた結果、ポップスや外国音楽に勝ったと主張している。(現在音楽市場の場合、韓国の音楽が占める割合は80%)
そんな中、ぺ・ヨンジョンは、劇場事業でスクリーンクオーター代案を模索している。ソフトバンク孫会長と組み、メディア・文化コンテンツ企業を設立することに合意した。

映画人のスクリーンクオーターの縮小反対に対し、一般の韓国人の考えはどうか。インターネットのアンケートや世論調査を実施した結果、回答者の半数が約60%が「スクリーンクオータの縮小賛成」との結果が出た。最近では韓国映画の占有率が70%を超える月があり、スクリーンクオーターを縮小しても、韓国映画は萎縮しないという考えが優勢のよう。映画人と一般国民の間には、考えに開きがあるようだ。
最近でも、歴代韓国映画観客動員1位を記録した「王の男」で大ブレークしたイ・ジュンギが、盧武鉉大統領のインターネット討論会にパネリストとして参加するなどまだまだ話題が続いているが、結局縮小方向で決着がついた。
これに従って7月1日から施行される予定である。
結局は、縮小ということで決着がついた今回のスクリーンクオーター制度縮小の抗議騒動。
人気スター達が連日のように、集会デモを行うなど縮小反対の様子がメディアで華々しく取り上げられていたが、その過熱ぶりに反して、一般市民の共感を得るまでには至らなかった。しかし、自国の映画文化を守っていこうとする熱い想いは十分に伝わったのではないだろうか。