韓国電力が天文学的赤字、政府機関を告訴へ・・
電力不足も慢性化!

**** 日本の3分の1の電気料金の秘密
韓国の電力料金は、ざっと日本の3分の1と言われる。韓国は原発比率が高いとはいえ、もちろんそれだけが「低料金」の秘密ではない。実は電力コストを下回る価格で韓国電力が電気を供給しているのだ。
韓国の電力供給システムはこうだ。韓国電力は、政府機関である韓国電力取引所を通して、「発電会社」(今は韓国電力の子会社)から電力を購入する。この電力を、韓国電力が、企業や家庭に販売・供給することになっている
韓国電力が購入するコストは、発電コストをもとに電力取引所などが算定する。一方で、韓国電力が販売する価格(電力料金)は、政府が決めることになっている。
物価抑制を重視する政府は、電力料金の引き上げに消極的で、韓国電力は、高い電力を購入して安く売るという「逆ザヤ」状態が続いている。
だから韓国電力はここ数年赤字が続いている。この赤字を経営努力で解消させようと、政府は、4年前にLG電子時代に「コストカッター」として恐れられた元最高経営責任者(CEO)を韓国電力社長に起用した。しかし、あまりの大きな逆ザヤになすすべもなかった。
**** 天文学的な営業赤字
2012年1~6月期の決算で、韓国電力は4兆3532億ウォン(1円=14ウォン)という過去最大の「天文学的営業赤字」(韓国電力)を計上した。
この決算を見ると、韓国電力の苦悩がよく分かる。
なにしろ、電力を販売した収入が23兆ウォンだったのに対し、電力の購入費用が25兆ウォンに上っている。政府に決められた価格通りに売買をしただけで、これだけの赤字が出てしまうのだ。
韓国電力によると、電力購入費用と減価償却費を合わせると営業費用の95%に達する。人件費は2%に過ぎず、「自助努力での赤字削減は不可能」だという。
**** 電力料金大幅値上げ要求に政府は応じず
しかし、「物価安定」を重点政策に掲げる政府は「5%以上の値上げなどとんでもない」という立場で一貫した。
電力料金の引き上げが阻まれたことから、韓国電力が標的にしたのは、電力の購入額を決めている電力取引所などだ。
8月末に、不当な電力コスト算出によって損害を受けたとして電力取引所などを相手に4兆4000億ウォンという巨額の損害賠償請求訴訟を起こすと発表した。
高く売ることができないのなら、安く買うだけ、というわけだ