韓国で核武装論が登場 対北交渉カード「最小限の自衛策」
2013.2.14 20:52【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮での相次ぐ核実験強行を受け、韓国で「わが国も核武装すべきだ」との議論が起きている。
主に保守陣営 から出ているもので、与党セヌリ党では13日の幹部会で「最小限の自衛策として、北朝鮮の核問題が解決した場合に廃棄することを前提に、わが国も核武装宣 言をすべきだ」との意見が堂々と示された。またソウル市内では、保守団体が核武装論を主張する集会を開いている。
韓国の核武装論は北朝鮮 に対する独自の“交渉カード”としてしばしば登場しているが、米国との関係をはじめ国際的環境などから現実性は今のところはない。しかし、6カ国協議をは じめ北朝鮮の核問題解決に対して無力感が広がっており、その欲求不満が独自の核武装論を招いている。
特に韓国の場合、1992年に北朝鮮との間で非核化宣言をしながら、これまで北朝鮮に全く無視されてきたという経緯がある。南北非核化合意で在韓米軍の核兵器は撤収しており、北の核に対する防衛に懸念が広がっている。
保守派の論客として影響力を持つ金大中・朝鮮日報顧問は核武装論者として知られるが、これまでの寄稿文で「今すぐ核武装を宣言しようというのではない。わ れわれの核保有に関する足かせを解き、核を持つかどうかという問題を真剣に議論することを宣言しようというのだ。独立した国家として最小限の核カードを持 とうということだ」(昨年7月10日付の朝鮮日報)と主張している。
また産経新聞の正論メンバーの一人である評論家の趙甲済氏は、独自核武装論の持ち主として、以前から韓国内で講演会や寄稿文を通じ論陣を張っている。
韓国の核開発は、朴正煕(パク・チョンヒ)政権時代の1970年代後半、米国のカーター政権に在韓米軍撤退の動きがあったことなどを背景に独自開発の計画 があったが、米国の強い圧力で中止されたといわれている。また北朝鮮の核武装については、若い世代などの間には「南北統一すればわれわれの核になる」と、 民族主義感情から容認する声も聞かれる。