日銀の新緩和策、市場関係者の評価は…? 「スケールが違う」「肌で国際金融熟知」「姿勢が変わった」
2013.4.4 19:39
記者会見する日銀の黒田東彦・総裁 =4日、東京都中央区 (撮影:財満朝則)
日銀の金融緩和について、市場関係者からは評価する声が相次いだ。前日まで、内容に「サプライズ」がなければ円高株安になるとの見方が広がってい たが、その懸念を払拭する内容を示して市場を反転させたからだ。黒田総裁に期待されていた「市場対話力」の高さを証明した格好だ。
「各項目で、事前予測の数値を上回る内容だった。これまでの緩和とはスケールが違う」
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長はこう評価した。先行きを織り込んで動き、政策が事前に予想された内容にとどまれば失望すると いう市場の特性について、「国際金融の世界で活躍してきた黒田総裁は、肌感覚で知っている」(大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミスト)との指摘があった。
農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「これまで『戦力の逐次投入』を続けてきた日銀が、『一気に大胆に』という姿勢に変わった」と緩和手法の変化に注目する。
SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストはETF(上場投資信託)などリスク資産の買い入れ増額を評価。「1千億円で日経平均株価を100円押し上げる効果があり、円安がさらに上積みする」と、市場へのインパクトが大きいという。
一方で、本来の目標であるデフレ脱却の実現には懐疑論が根強い。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「金融政策だけでは実現できず、潜在的な成長率を高める政府の成長戦略が必要だ」と強調した。
また、銀行券ルールの一時停止について、「財政ファイナンス(財政赤字の穴埋め)」に陥る懸念を示す声もある。日銀は今回の決定でこれを否定したが、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「実効性のある歯止めがない」と指摘している。
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